<コラム>「中国・電子商取引法」全文日本語訳―2019年1月1日施行、越境ECにも大きな影響か

如月隼人    2018年11月1日(木) 21時20分

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中国では2019年1月1日に「中華人民共和国電子商務法(電子商取引法)」が施行される。同法は個人・法人・非法人組織にかかわらず、電子商取引業者に対して登記の義務を定めている。

電子商取引プラットフォーム経営者はプラットフォーム内経営者と、消費者の権益保証金の協定を締結することができる。双方は消費者の権益保証金の金額と管理・使用・返却法などについて明確に約定せねばならない。

消費者は電子商取引プラットフォーム経営者に賠償責任を先行して引き受けることを要求し、電子商取引プラットフォーム経営者は賠償を行った後、プラットフォーム内経営者から賠償を追徴する。「中華人民共和国消費者検疫保護法」の関連する定めを適用する。

第59条 電子商取引経営者は利便性があり有効な異議申し立て・通報のメカニズムを構築し、申し立てや通報などの方式の情報を公開し、申し立てや通報を速やかに受理し、処理せねばならない。

第60条 電子商取引で発生した争議は、協議による和解や、消費者組織や業界団体、その他の法にもとづき成立した調停組織による調停、政府関連部門による申し立て、仲裁の申し立て、訴訟などの方式により解決することができる。

第61条 消費者が電子商取引プラットフォームで購入した商品または受けたサービスについてプラットフォーム内経営者と争議が発生した場合、電子商取引プラットフォーム経営者は消費者の合法的な権益維持に積極的に協力せねばならない。

第62条 電子商取引で発生した争議の処理において、電子商取引経営者は契約と取り引きの記録原本を提供せねばならない。電子商取引経営者による前記資料の紛失、偽造、改竄、廃棄、隠匿、提供拒否により裁判所や仲介機関、関連機関が事実を確認することができない場合、電子商取引経営者は関連する法律上の責任を引き受けねばならない。

第63条 電子商取引プラットフォーム経営者は、争議についてのオンライン解決メカニズムを構築し、争議の解決規則の制定しかつ公開し、自由意志の原則にもとづき、公平・公正に当事者間の争議を解決することができる。

第五章 電子商取引の促進

第64条 国務院と省・自治区・直轄市の人民政府は電子商取引の発展を国民経済と社会発展の計画に組み込み、科学的合理的な産業政策を制定し、電子商取引の刷新と発展を促進せねばならない。

第65条 国民と県級以上の人民政府および関係部門は、環境配慮型の包装・保管・運輸を支持・推進し、環境に配慮した電子商取引を促進する措置を取らねばならない。

第66条 国家は電子商取引のインフラ施設と物流ネットワークの建設を推進し、電子商取引の統計制度を完成させ、電子商取引の標準体系の設立を推進する。

第67条 国家は電子商取引が国民経済の各分野で応用されることを推進し、電子商取引と各産業の融合した発展を支持する。

第68条 国家は、農業産業・加工業・流通業などの連結部分におけるインターネット技術の応用を促進し、各分野の社会資源の協力強化を奨励し、農村における電子商取引の発展を促進し、精準扶貧(注)において電子商取引に効果を発揮させる。

注:日本語訳は「ピンポイント貧困対策」。貧困地域や貧困家庭の個別状況にもとづき、貧困脱出のための合理的な対策を行う政策理念。習近平国家主席が2013年11月に提唱しはじめ、推進されることになった。

第69条 国家は電子商取引の安全を維持し、電子商取引のユーザー情報を保護し、電子商取引のデータの応用の開発を奨励し、法にもとづく電子商取引データの秩序ある自由な流動を保障する。

国家は公共のデータベースの共有メカニズムの設立を推進する措置を取り、電子商取引経営者が法にもとづき公共データベースを利用することを促進する。

第70条 国家は法にもとづき信用評価機構を設立して電子商取引の信用評価を展開し、社会に対して電子商取引の信用評価のサービスを行うことを支持する。

第71条 国家は越境電子商取引の発展を促進し、越境電子商取引の特徴に適応する健全な税・税徴収・輸出入の検査検疫・支払い決算などの管理制度を設立し、越境電子商取引の各段階の利便度の水準を引き上げ、越境電子商取引プラットフォーム経営者などが越境電子商取引についての物流倉庫・税関申告・検疫検査などのサービスを提供することを支持する。国家は小型零細企業の越境電子商取引への従事を支持する。

第72条 国家の輸出入管理部門は、越境電子商取引の税関における申請・納税・検査検疫などの各段階における総合サービスと管理監督の体系を樹立し、監督管理の工程を優良化し、情報共有の実現・監督管理の相互確認・公務執行の互助を推進し、越境電子商取引サービスと監督管理の効率を向上させねばならない。越境電子商取引経営者は電子書類をもって国家輸出入管理部門に対する関連手続きをすることができる。

第73条 国家は異なる国や地域との越境電子商取引の交流を推進・樹立し、電子商取引の国際規則の制定に参加し、電子署名と電子身分の国際相互承認を推進する。

国家は異なる国家や地域の越境電子商取引の商務を解決するメカニズムの樹立を推進する。

第六章 法律責任

第74条 電子商取引経営者が商品の販売またはサービスの提供において、契約義務を履行しなかったり約定に合致しない契約義務を履行したり、または他者に損害を与えた場合には民事責任を引き受けねばならない。

第75条 電子商取引経営者が本法第12条、第13条の定めに違反し、行政の許可を得ずして経営活動に従事したり、または法律・行政法規が取り引きを禁止する商品を販売したりサービスを提供した場合、または本法第25条が定める情報提供の義務を履行しなかった場合、または電子商取引プラットフォーム経営者が本法第46条の定めに違反して集中取引方式による取り引きを行った場合、または標準化した約款により取り引きを行った場合には、関連する法律と行政法規の定めにもとづき処罰する。

第76条 電子商取引経営者に、本法の定めに違反して下記の行為のいずれかがあった場合、市場監督管理部門が期限を定めて是正を命じる。かつ、市場監督管理部門は1万元以下の罰金を科すことができる。電子商取引プラットフォーム経営者の場合には本法第81条第1項目に定めにもとづき処罰する。

(1) トップページの目立つ場所に営業許可情報、行政許可の情報、市場主体登記を必要としないことを示すことなどの情報、または前記の情報へのリンクを示す標識を表示ししていない場合

(2) トップページの目立つ場所に電子商取引の終了に関連する情報を表示しつづけていていない場合。

(3) ユーザー情報の調査・修正・削除・ユーザー登録の抹消の方式や手順を明示していない、またはユーザー情報の調査・修正・削除・ユーザー登録の抹消について不合理な条件を設けている場合。



■筆者プロフィール:如月隼人 1958年生まれ、東京出身。東京大学教養学部基礎科学科卒。日本では数学とその他の科学分野を勉強し、その後は北京に留学して民族音楽理論を専攻。日本に戻ってからは食べるために編集記者を稼業とするようになり、ついのめりこむ。毎日せっせとインターネットで記事を発表する。「中国の空気」を読者の皆様に感じていただきたいとの想いで、「爆発」、「それっ」などのシリーズ記事を執筆。中国については嫌悪でも惑溺でもなく、「言いたいことを言っておくのが自分にとっても相手にとっても結局は得」が信条。硬軟取り混ぜて幅広く情報を発信。 Facebookはこちら ※フォローの際はメッセージ付きでお願いいたします。 ブログはこちら

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