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<羅針盤>新年号「令和」に込められた平和への願いを、各国と協調し実現したい―立石信雄オムロン元会長

配信日時:2019年4月7日(日) 6時40分
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新元号は「令和」だった。生前退位に伴う改元だったためか、事前にテレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで大きなフィーバーが巻き起こり、筆者も事前にあれこれ予想していたが、「令」は意外な漢字だった。写真は新元号発表時の新橋駅前。

新元号は「令和」だった。生前退位に伴う改元だったためか、事前にテレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで大きなフィーバーが巻き起こり、筆者も事前にあれこれ予想していたが、「令」は意外な漢字だった。

万葉集巻五、梅花の歌の項の序文が出典だという。表記は漢文で、読み下せば「初春の令月にして気淑(よ)く風和(やわら)ぎ」。新年に人々が集まり、すがすがしい気持ちで梅の花をめでる歌をよむ。奈良時代の宮廷歌人たちの新年を迎える、うきうきした気分がよく伝わってくる。

令の字は「命令」を想起し、一瞬ギョッとしたが、令夫人、令嬢、令息などと使われ、「佳き」という意味もある。新年号には平和でいい時代になるように、という願いが込められていると思う。

従来の漢籍ではなく初めて日本の古典から引いたと謳われたが、東アジアにおける文化交流を象徴する国際的な2文字とみることもできよう。「令月」はもともと漢籍にあり、梅の花を愛でる習慣も大陸から渡来した。万葉集と中国の古典文化の間には不可分の関係があり、万葉集が中国の古典文化を源とする影響は否めない。大陸の漢字を輸入し、それを変形して仮名をつくった古代日本と、外国人が急増しグローバル化が進行する現代日本がオーバーラップする。

令和時代にどんな時代を目指せばいいのか、何を軸に将来を描いたらいいだろうか。平成元年(1989年)にベルリンの壁が壊れ、冷戦構造が終わりを告げた。ところが、その後テロや移民問題、経済格差の拡大などが表面化。自由主義は世界中で揺らいでいる。

「令和」という年号に込めた平和への願いを世界各国と協調し実現したい。様々な雑感が生じるが、新しい年号にふさわしい時代がくることを祈った。
<羅針盤篇37>
■筆者プロフィール:立石信雄
1959年立石電機販売に入社。1965年立石電機(現オムロン株式会社)取締役。1995年代表取締役会長。2003年相談役。 日本経団連・国際労働委員長、海外事業活動関連協議会(CBCC)会長など歴任。SAM「The Taylor Key Award」受賞。同志社大名誉文化博士。中国・北京大、南開大、上海交通大、復旦大などの顧問教授や顧問を務めている。SAM(日本経営近代化協会)名誉会長。エッセイスト。

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