2022年10月6日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、台湾の蔡英文（ツァイ・インウエン）総統が「われわれは自分たちの防衛を他人に依存しない」と語ったことを報じた。

記事は、蔡総統が5日、米ワシントンのシンクタンク、グローバル・タイワン・インスティチュート（GTI）主催のシンポジウムに寄せたビデオメッセージの中で「われわれは自らの防衛を他人に依存しない」と語るとともに、先ごろ台湾向けに軍備を売却したことに感謝を示したほか、「中国がわれわれの主権を侵犯する期間」において、米国が台灣の安全保障に関する約束を示したことについて「歓迎する」と述べたことを伝えた。

さらに、中国の戦闘機8機が台湾海峡の中間線を超えたと台湾当局が報告したことについて、蔡総統が「台湾の主権を侵し、インド太平洋地域の平和、安定を脅かす行為だ。ある国・地域に対する脅威は、直接的、間接的に地域の隣国に対する脅威になる」と語ったことを紹介している。

その上で、米バイデン大統領が先月、中国が「前例のない攻撃」を仕掛けた際に米国が台湾を防衛するとの姿勢を改めて示す一方で、米政府として「一つの中国」を支持し、台湾の独立は台湾自らの独立した判断を持つとの認識を示したことを紹介。その後ホワイトハウスがバイデン大統領の発言について米政府の立場の変化を意味するものではないと説明したものの、「バイデン大統領は、台湾独立の立場を取らないという暗黙の了解を打ち破る可能性がある」との批判が出ていることを伝えた。

記事は、米国在台湾協会のモリアーティ会長がGTIのフォーラムにて米国の立場を改めて説明し、バイデン大統領の発言により米政府の政策が変化することはないとの認識を示すとともに、米政府による台湾への「あいまい戦略」について「そもそもこれは政策ではなく、われわれのやっていることを説明したものだ」と述べたことを紹介している。（翻訳・編集/川尻）