過熱する日本の幼児英語学習、「スタートラインで負けられない」と親の声―中国メディア

Record China    2014年5月22日(木) 2時4分

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21日、中国のインターネット上では、「大学受験から英語が除外される」という話題が大きな盛り上がりを見せている。文化界は中国語の純潔性の維持を提唱し、中国社会に対して英語学習の重要性を見直すよう呼びかけている。資料写真。

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2014年5月21日、中国のインターネット上では、「大学受験から英語が除外される」という話題が大きな盛り上がりを見せている。文化界は中国語の純潔性の維持を提唱し、中国社会に対して英語学習の重要性を見直すよう呼びかけ、あらゆる人々が必死で英語を勉強する必要性があるのかと疑問を投げかけている。

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一方、日本では、ここ数年で英語の学習熱がより高まっている。1963年に設立された日本英語検定協会は日本人の実用英語の学習を促進するために設立された機関で、毎年平均230万人もの日本人が英語能力テスト(英検)を受けている。日本メディアはこのほど日本英語検定協会の報告書を引用し、次のように伝えた。「2013年、児童英検を受けた幼児は2500人に及び、この10年間で4倍に増加した。報告書によると、5歳以下の幼児のほかにも、小学生の英検受験者数は毎年上昇しており、2013年には22万人に達している。少子化の日本において、このような受験者数の上昇傾向は注目に値する」。

▼スタートラインで負けられない

日本英語検定協会の宣伝調査課の皆川英明課長は、英検の試験会場での様子を振り返りながら次のように語った。「5歳にも満たない子供たちが英検を受けに来たのですが、ある子供は机から離れてあちらこちらに歩き回り、ある子どもは大声で泣き叫ぶ。こういった子どもたちの行動は試験場の雰囲気に良くない影響を与える。しかし、あまりにも幼いため仕方がない。我々も非常に困っている」。

日本英語検定協会は1994年から児童英検を開発・実施している。現在は、児童英検は各年齢を想定したブロンズ、シルバー、ゴールドの3つのグレードに分かれており、それぞれ単語量や難易度が上がっていく。合格者はそれぞれのグレードごとに証書が発行される。皆川氏は、「しかし成績がつけられないケースも現れている。わずか5歳の子どもが高校生レベルの成績をあげたが、年齢の覧に0歳と記入し、成績が記録されなかった」と語る。

児童英検が過熱化する背景には、日本の発展する児童英語教育がある。富裕層の中には、約1500万円を費やして就学前の子どもをスイスなどに留学させ、英語を勉強させる人も多いという。

▼英語力=グローバル化なのか?

英検受験者の幼児化は、グローバル化時代において多くの日本人が抱える焦りを映し出している。日本人は「英語力」という言葉まで独自に生み出した。長年、英語は日本人にとっての泣き所だった。米国教育試験サービスセンター(ETS)の報告書によると、日本人のTOEFLの平均点はアジアでワースト2位だ。現在、日本政府はグローバル時代における国際競争力の向上をめざし、社会の各層で「英語化」を推し進めようとしている。英語学習熱の背景にあるのは、「進学」や「就職」といったキーワードだ。日本企業が引き続き海外投資を推し進める中で、英語を話せる人材が大量に必要とされている。また一方で、少子化の加速に伴い、国内の労働力にも国際化が求められている。

慶応大学を卒業し、現在上海で働く横山さんは、日本人が思うグローバル化を体現したような経歴の持ち主だ。横山さんは、「英語と国際競争力は直接的に繋がっていると多くの親たちは信じている」として、「英語の勉強を始めたのは中学の時。その頃の日本は、今のような英語学習熱は見られなかった。英語は確かに重要だ。しかし、幼いときから英検を受けさせることがグローバル化への対応と言えるだろうか?」と疑問を呈する。横山さんからすると、英検受験の低年齢化ブームは少し行き過ぎだと感じるようだ。そして、横山さんは、楽天を例に挙げた。楽天は、グローバル化に備え、率先して職員に英語だけを話すように強制している。三木谷浩史社長は以前、「英語がわからない日本の会社はますます内向的になり、世界の潮流や動きから徐々に取り残されていく」という懸念を語っている。しかし、楽天内部で最近流行っている言葉は、「これは重要な事柄なので、日本語で話します」というものだ。これの何がグローバル化だろうか?横山さんは、「このような矛盾は英語の崇拝ブームの背景において、ないがしろにしている真相を露呈しているようだ」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・翻訳/MZ・編集/武藤)

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