<著者対談>『21世紀は共生 国際協力の世紀』―“現代の阿倍仲麻呂”小島康誉氏40年の親善記録

Record China    2021年7月4日(日) 11時0分

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新疆ウイグル自治区を150回以上訪問し、世界的文化遺産の保護や研究・人材育成など国際協力を多数実践し、“現代の阿倍仲麻呂”と言われている小島康誉氏にインタビューした。

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1982年より中国新疆ウイグル自治区を150回以上訪問し、世界的文化遺産の保護や研究・人材育成など国際協力を多数実践し、“現代の阿倍仲麻呂(奈良時代の遣唐使で日中友好に貢献)”と言われている小島康誉氏が新著『21世紀は共生 国際協力の世紀』を上梓した。そこで同氏にインタビューし、新疆ウイグル自治区の実態や新著の狙いなどについて尋ねた。(聞き手=Record China主筆・八牧浩行

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――新著『21世紀は共生 国際協力の世紀 一帯一路実践談』は40年間にわたる新疆ウイグル自治区との多くの行き来を通じた活動記録で、数百枚のカラー写真もビジュアルでよく理解できました。この本で訴えたかったことや狙いなどお聞かせください。

「一帯一路」は中国が提唱している「シルクロード経済帯」と「21世紀海上シルクロード」、アジアと欧州を結ぶ経済・政治の道であり、私は同時に文化の道・国際協力の道でもあると捉えています。

その「シルクロード経済帯」の要衝である「新疆ウイグル自治区」を、私は1982年以来150回以上訪問し、現地の多民族諸氏と世界的文化遺産保護研究や人材育成などを実践してきました。例えば、協力開始28年後に世界遺産となったキジル千仏洞修復保存活動、開始7年後に中国の国宝中の国宝を発掘した日中共同ニヤ遺跡学術調査、法隆寺金堂壁面の源流壁画を発掘した日中共同ダンダンウイリク遺跡学術調査、多民族6600人余に提供した大学奨学金や児童育英金、あるいは博物館建段などです。それら国際協力実例や国際協力実践10カ条、友人らのネパール・ミャンマー・ベトナム関連の国際協力も紹介しています。

世界では対立があふれていますが、21世紀こそ共生・国際協力の世紀でありたいと、願いを込めて、この本のタイトルを『21世紀は共生 国際協力の世紀 一帯一路実践談』としました。日中関係は後退中ですので、今こそ相互理解促進が必要とあえて出版しました。戦争を避け平和を守るためにも国際協力は絶対必要です。写真中心で読みやすいと好評で、感謝しています。

――小島さんは40年間新疆ウイグル自治区と関わっていますが、新疆の特徴について教えてください。

新疆ウイグル自治区には以下の3つのキーワードがあると思います。

第一に「シルクロード」。東西、南北の幾多の文明・文化が行きかい、多くの文化遺産があります。それらを運んだのは人間。このため新疆には多くの民族が居住しています。

第二に「石油・資源」。タリム油田をはじめ各地に膨大な原油が埋蔵されています。石油だけでなく鉄、石炭、レアメタルなど多くの資源が埋蔵され、タクラマカン砂漠には大量の水が蓄えられています。

第三に「シルクロード経済帯の“センター”」。中国の西の“窓口”であり、欧州、中央アジア諸国にとって東の“窓口”となっています。

――実際に感じた新疆の雰囲気についてはいかがですか。

最初に訪問した1982年の新疆の中心都市ウルムチにはビルらしいビルもなく、車も少なくラクダが荷物を運んでいて道端には羊が放牧されていました。それが今は高層ビルが林立し、地下鉄が走り、車があふれています。一言でいえば大発展。様変わりで活気に満ちています。

――古くからシルクロードの中心地として栄えた新疆の世界遺産としての魅力について。

新疆の世界文化遺産はキジル千仏洞・スバシ故城・交河故城・高昌故城・クズルガハ烽火台・北庭故城。「シルクロード:長女一天山回廊の交易路網」。その名が示すように「シルクロード」に触れられます。天山山脈の一部は世界自然遺産です。ぜひ「美しい新疆」を訪問ください。

――新疆ウイグル自治区の人権問題が米欧から指摘されていますが、実態についてどのように感じていますか。

外国のことは中々分かりません。私は毎日、レコードチャイナを含む日本の各メデイア、人民網・環球時報網や英BBC・米CNNなど幅広く見ていますが、報道には差があります。報道されているような施設を訪問したことはなく、「人権侵害」の実態を見たこともありません。綿花畑は見学したことがありますが、ウイグルの人たちが楽しそうに作業していました。

――これから世界はどのような構造になると思いますか?

世界には約200の国家があります。それぞれの国にはそれぞれの歴史・国益・主義・体制・文化があります。それぞれの主張をするのは当然のことです。米中対立を軸として部分的協調と部分的対立が続くでしょう。地域紛争は起きても世界的大戦は起きないと思います。

――日本人はどのように中国と接すればいいでしょうか?

相互理解の努力を続けることに尽きると思います。私が最初に中国を訪問したのは1972年国交正常化の年でした。以来。日中関係はある時は改善の方向へ、ある時は対立の方向へ動いてきました。昨年初めごろは「習近平国家主席の国賓訪問を」とのムードがあふれていましたが、現在は様々な要因で悪化しています。こんなときこそ私たちは冷静に相手国の良い点を見るようにすべきと思います。「異あれど同を求める、和して同ぜず」の精神が大切ではないでしょうか。

――心配していることや期待していることなど、いかがでしょうか?

昨年はコロナで新疆へ訪問できませんでした。新疆の漢族・ウイグル族・カザフ族などの友人たちは元気とのことなどで心配はしていません。訪問できるようになったら「大愛無疆(大きな愛に限りなし)」の精神で各種活動を再開したい。可能であれば報道されている施設を見学して、この目で確かめたいと思います。

【小島康誉氏プロフィール】 1942年名古屋市生まれ。佛教大学卒。浄土宗僧侶、日中理解実践家。1966年宝石専門店を起業し上場企業に育て上げ、96年創業30周年を機に退任。1982年より中国新疆ウイグル自治区を150回以上訪問し、世界的文化遺産保護研究・人材育成など国際協力を多数実践。私財を投入したほか募金集めに奔走した。一帯一路の要衝新疆ウイグル自治区での国際協力40年。キジル千仏洞修復保存協力を開始して28年後に世界遺産に登録。ニヤ遺跡調査を始めて7年後に中国の国宝を発掘した。ダンダンウイリク遺跡で法隆寺壁画の源流壁画発掘・保護した。多民族対象の奨学金などを6600人に供与したほか博物館建設にも協力した。佛教大学客員教授などを歴任。現在同大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表。新疆ウイグル自治区政府文化顧問。

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