米中の外交トップが再び対決、双方が「猛口撃」の応酬—仏メディア

Record China    2021年6月13日(日) 12時30分

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フランスメディアのRFIは、11日に行われた米中の外交トップ会談で激烈な応酬があったことに注目した。写真は米アラスカで3月に行われた対面形式による会談の様子。

フランスメディアのRFIは11日、同日行われた楊潔チ(ヤン・ジエチー、「チ」は竹かんむりに褫のつくり)中国共産党中央政治局員と米国ブリンケン国務長官の電話会談を紹介する記事を配信した。記事は、双方の間に激烈な応酬があったことに注目した。楊氏は中国の外交分野のトップとみなされている。

双方の意見を交わしたのは3月に米アラスカで行われた対面形式による会談以来だった。アラスカでの会談では、ブリンケン長官が新疆ウイグル自治区や香港、台湾をめぐる中国の行動に「深い懸念」を示したのに対し、楊氏が「米国に上から目線でものを言う資格はない。中国はその手は食わない」ときつい表現で反論したことが、注目を集めた。

11日の電話会談の背景には、英国で開催されているG7サミットがある。同サミットでの重要な議題は人権問題や貿易問題、科学技術の競争など、中国をめぐる問題だ。RFIは、11日に行われた米中外交トップによる電話会談を、G7サミットの「序奏」と表現した。

電話会談後には、米中双方がそれぞれ、内容を紹介する文章を発表した。中国の発表によると、楊氏は「世界にはただ一つの体系しかなく、ただ一つの秩序しかない。それは国連を中核とする国際体形と、国際法を基礎とする国際秩序だ」「多国主義には1種類しかない。平等に付き合い、協力とウィンウインの関係を築く真の多国主義だ。『小グループ』の利益と集団政治に基づく偽の多国主義(は真の多国主義)ではない」と述べた。

仏メディアのAFPによると、楊氏は電話会談の直前に「米国は自らが背いている人権の問題を解決すべきだ。いわゆる人権問題を口実に、多国の内政に随意に干渉すべきでない」と発言していた。

米国側発表によれば、ブリンケン長官は11日の電話会談で、中国と世界保健機関(WHO)が共同で行った新型コロナウイルスの起源についての調査には多くの批判があり、国際社会はウイルスの起源についてさらに深く調査せねばならないと強調した。

ブリンケン長官はさらに、「台湾への威嚇をやめ、(台湾海峡の)両岸問題を平和的に解決せよ」と述べた。ウイグル民族の問題では、米国として新疆で発生しつつあるウイグル人イスラム教徒へのジェノサイト(特定民族や集団に対する計画的抹殺)に重大な関心を持っていると伝え、さらに香港で民主的生活が損なわれていることに深い懸念を示したという。また、中国当局は外国人居住者を随意に逮捕しているとして、改めて即時釈放を求めた。

中国側発表によると、新型コロナウイルスの起源問題について、楊氏は「米国の一部の者が作り出して拡散している、実験室から流出したという言い方はでたらめな物語」と述べ、台湾問題については「中国の核心的利益」と強調した。

AFPは、米国と中国がそれぞれ発表した会談の内容や、痛烈な口調から、双方の対立は今も続いていると分析した。ただし、楊氏はブリンケン長官に、「中米関係を改めて正しい発展の道に戻すため、共に努力したい」と呼びかけ、双方は朝鮮半島の非核化問題、ミャンマー情勢、気候変動の問題にも言及したという。(翻訳・編集/如月隼人

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