三星堆遺跡の「黄金の仮面」を実際に作ってみた男性―中国

人民網日本語版    2021年4月16日(金) 23時50分

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1986年、四川省徳陽広漢市で三星堆遺跡が数千年の眠りから目を覚まし、考古学ファンを大いに驚かせた。そして、今年3月20日に発表された考古学発掘調査の新たな成果が、再び多くの人を驚愕させている。

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1986年、四川省徳陽広漢市で、長江上流域文明の中心とされる三星堆遺跡が数千年の眠りから目を覚まし、考古学ファンを大いに驚かせた。そして、今年3月20日に発表された考古学発掘調査の新たな成果が、再び多くの人を驚愕させている。これらの出土した重要文化財約500点のなかでも、右半分だけの黄金の仮面が特に注目を集めた。封面新聞が伝えた。

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25歳のうP主「才疏学浅的才浅」(以下、「才浅」)さんは12日、動画共有サイト・bilibili(ビリビリ)に「15日かけて20万元(約340万円)で購入した500グラムの金をたたき伸ばし、手作業で三星堆の黄金の仮面を復元」というタイトルの動画をアップした。動画には、金の仮面を自作する全ての過程の詳細が記録されている。

この男性の極めて優れたそのスキルに、多くのネットユーザーが「いいね!」を押し、大きな話題となっている。三星堆博物館の朱亜蓉(ジュウ・ヤーロン)副館長も、微信(WeChat)のモーメンツにその動画をシェアし、「当館の修復館で働きましょうよ」と書き込んだ。

14日早朝、才浅さんは取材に対して、「文化財の修復は、もっとスキルを磨いてから」と話した。

■20万元で本物の金を購入して黄金の仮面を復元

上海に住む才浅さんは、「3月20日に、半分の黄金の仮面のニュースを見た。そして、たくさんのネットユーザーが、想像をふくらませ、画像修正をすることで、残りの半分を復元していた。なかには、とても誇張したものまであり、それを見た時、とても面白いと感じた。僕はいろいろと手作りするのが大好き。だから、自分もやってみようと思った」と話す。才浅さんはビリビリのアカウントだけでも、247万4000人ものフォロワーを抱えている。

新たに出土した半分だけの黄金の仮面の幅は約23センチ、高さは約28センチ、重さは約280グラム。専門家は、完全な形のこの仮面の重さは約500グラムだったと推測している。そこで、才浅さんは2日かけて資金を調達し、銀行で500グラムの金を購入し、製作するための道具も揃えた。

「なぜ、こんなにお金をかけて、本物の金を使って仮面を作ったのか?」という質問に、才浅さんは、「完全に手作業で作って、3000年前の古代の職人の気持ちを感じ取りたかった」と説明し、「そうすることで、昔の人と『心を通わす』ことができると思ったから」と話した。

■15日かけて金槌で1万回以上叩いて伸ばし、黄金の仮面を復元

「どうしても手作業で復元したかった。本物の金を使ったのは、金は延性に富み、化学的安定性も高いから。薄く伸ばしても、破れることはない」と才浅さん。

1.8キロの金槌で、1万回以上叩き、金の延べ棒を厚さ平均0.3‐0.4ミリまで伸ばし、三星堆遺跡で発見された黄金の仮面とほぼ同じ厚さの金の板をつくり上げた。

「僕の長年の経験を基に、3000年前の技術なら、まず、青銅の型を作ってから、薄く叩き伸ばした金の板をその上にのせて、また打ち叩きながら形を整えたのではないかと考えた。そうすることで、顔を象った型にぴったり合う仮面を作ることができる」と才浅さん。

ただ青銅の顔を象った型はないため、才浅さんは金の板に仮面を描き、そのあと突起した鼻、目、耳といった部分を順に丁寧に金槌で叩いたり、カットしたりして形を整えた。

15日間かけて、輝く黄金の仮面が完成。さらに、4‐5日かけて動画を編集し、才浅さんはビリビリにそれをアップ。今月14日午前0時の時点で、再生回数は270万回に達し、75万人から「いいね!」が寄せられている。

何度叩いて伸ばしても、依然として燦然と輝く黄金の仮面を見て、才浅さんは、「今はアルミや電気メッキがあふれている時代であるものの、僕は金の美しい輝きに魅了された。そのような感情は、本当にタイムスリップすることができ、3000年前の職人と同じ思いを伝えることができるのかもしれない。黄金の仮面を作った職人も、金の輝きに魅了されたに違いない」と感慨深く語った。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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