<コラム・莫邦富の情報潮干狩り>逆流遡上の日本クルーズ「ピースボート」、華麗なる変身へ

莫邦富    2020年10月29日(木) 18時0分

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家で夕食を取る時、新型コロナウイルスが発生してからは食事をしながら7時のテレビニュースを聞く習慣を復活させた。写真はパシフィックワールド号(旧サン・プリンセス号)。

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家で夕食を取る時、新型コロナウイルスが発生してからは食事をしながら7時のテレビニュースを聞く習慣を復活させた。数日前に、あるニュースの見出しの案内を聞いて、慌てて席をテレビ前に移動し、テレビの画面に目を釘付けにした。

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■新型コロナがクルーズ船の世界に打撃

商船三井客船の「にっぽん丸」は、200名ほどの客を乗せて、クルーズ船として日本国内で初めて運航を再開した。本格的な営業は来月から再開するというニュースだった。「クルーズ船運航再開の『第1号』が出港」と伝えるアナウンサーの声には隠そうともしない興奮が感じられた。

新型コロナウイルスの影響を最もダイレクトに受けたのは観光業。旅行社やホテルはもちろんのこと、航空会社や鉄道会社も大変だ。利用対象がより限定されているクルーズ船の世界も大きな打撃を逃れることはできなかった。

2020年まで、世界のクルーズ船業界は上昇傾向にあり、繁栄を謳歌していた。新型コロナウイルス感染の爆発に伴い、クルーズ船業界は急転直下した。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」および「グランド・プリンセス」の船内における集団感染が一時期、毎日のようにテレビ画面を賑わし、クルーズ船は典型的な3密環境だということを視聴者に印象付け、乗船を予約した客がキャンセルに走った。

感染拡大を防ぐため、クルーズ会社は運航停止の措置に相次いで踏み切った。しかし、クルーズ会社にとっては、収入がなく、営業損失があり、時価が蒸発しただけではなく、毎月巨額の資金を投入して船舶関係の維持コスト、埠頭使用料、乗組員の人件費を支出しなければならない。さらにユーザーへの返金にも追われていた。クルーズ船大手のロイヤル・カリビアン・インターナショナルを例に取ると、毎月平均約2億5000万ドル(約261億円)から2億7500万ドル(約287億円)の資金を費やすと言われている。

こうした支出に苦しんでいた多くのクルーズ船会社が少しでも資金的重圧を緩和させようとして、ついに豪華客船を手放す決断に踏み切った。業界通の話によると、こうした豪華客船は普段の相場の5分の1といった信じられないほどの金額で売り出されているケースもあるという。

■新しいチャンスを見出した「ピースボート」

世界一周のクルーズ旅行で知られる日本の「ピースボートクルーズ」は1983年に出航した第1回クルーズからこれまでに、100回を超えるクルーズ旅行を実施している。そのホームページに以下のことを誇らしげに書いている。

「延べ8万人がピースボートクルーズに乗船し、アジア・アフリカ・ヨーロッパ・北中南米・オセアニア・南太平洋など世界中、200以上の港を訪問。各地の世界遺産や大自然を訪れ、さまざまな国や地域に暮らす人びとと顔の見える交流を行っています」

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