米中は再調整期をどう乗り越えるべきか―中国紙

Record China    2013年12月22日(日) 11時48分

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20日、アジア太平洋地域の係争の動揺、米国のアジア太平洋リバランス戦略の再強化に伴い、米中関係は再びデリケートで敏感な時期に入った。写真は米国。

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2013年12月20日、アジア太平洋地域の係争の動揺、米国のアジア太平洋リバランス戦略の再強化に伴い、米中関係は再びデリケートで敏感な時期に入った。(文:王帆(ワン・ファン)外交学院院長補佐、吉菲菲(ジー・フェイフェイ)外交学院博士課程在学生。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

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米中の経済関係発展の勢いは依然力強く、両国共に経済、貿易、投資分野の協力の深化を望んでおり、19日には米中合同商業貿易委員会が開かれた。その一方で、米国は中国への警戒感と不信感を募らせており、中国の南シナ海の航行禁止区域では米中の軍艦が「遭遇」し、ケリー米国務長官はベトナム、フィリピン訪問時に「中国の防空識別圏を認めない」立場を表明して、米中関係に大きくも小さくもない波瀾を巻き起こした。

経済・貿易関係は日増しに緊密化し、政治的には防備の姿勢を変えず、軍事的にはたまに摩擦がある。これは日増しに強まる米中間の競争的相互依存関係の現れだ。米中関係の多面性は、第1に冷戦期の対立関係から発展してきたものである両国関係のもともとの基礎が脆弱なためだ。第2に両国関係の分野が次第に広範化し、程度が次第に深まっているためだ。第3に米中のパワーバランスに中国の台頭、米国の衰退という変化が生じていることによる。この変化の絶対的意義は誇張されるべきではないが、それでも米国は自らの地位が脅かされうる懸念を抱くに至った。両国関係の再調整期は、政治的懸念と軍事的摩擦に現れている。

米中関係にとって、ソ連・東欧の激変の影響を受けた1990年代初めの冷え込み期は、最も長く調整が繰り返された時期だった。その間、米国は5項目の対中制裁を宣言。1996年には台湾海峡危機も発生した。だがまさにこの時期に戦略の見直しと位置づけを繰り返した結果、国際システムの擁護者、改良者としての中国の立場および平和外交を米国は徐々に受け入れ、米中間に利益の合流点と国家共存のモデルが見いだされ、今世紀最初の10年間の米中関係の健全な発展の下地が作られたのだ。

近年、中国の国力上昇と相対的な米国の国力低下、米国のアジア太平洋回帰戦略に伴い、米中関係は再び調整期に入った。1990年代初めと異なり、今回の調整は外的な国際構造の変化によるものではなく、両国間のパワーバランスの変化によるものだ。米国の戦略界と政策決定者は防備の心理から、中国を米国の主導的地位に対する潜在的挑戦者と見なし、この想定に基づき戦略を定め、計画を実行している。主権の平等性を守る中国の合理的、正当、合法的な行為に対して米国は行き過ぎた解釈をし、あってはならない戦略的誤判断も生じている。米中の新型の大国間関係にとって、これはまさに今後解決に力を入れる必要のある問題だ。

米国は戦略の柔軟性を維持する必要もある。中国と対抗する、または中国を封じ込めるに十分な理由と動員環境が米国にはないからだ。中国の平和的発展という戦略的意図を米国と周辺国はすでに感じ取っている。冷戦時にソ連を封じ込めたように中国を封じ込めることは米国にはできない。さらに重要なことに、米中は数多くの利益を共有する。経済的相互補完性のために、米中は互いに協力を強く必要としている。こうした相互依存関係が「協力すれば共に利し、闘えば共に傷つく」という米中関係の基本的現状を決定づけている。

現在、再調整期に入った米中関係は2つの異なる発展の方向性を呈している。1つは米国の対中不信が日増しに激化する衝突の方向性。もう1つは米中が共通利益をより重視して、新型の大国共存モデルを構築する協力の方向性だ。米中間のたゆまぬ戦略の見直しと調整の過程において、中国の国力が強大化し続ける中で、いかにして新型の大国間関係を発展させるかが、調整のカギを握る。カギを握るこの問題をうまく解決することは、米中両国関係が安定と成熟へ向かうことを意味するのみならず、将来の国際構造・安全保障情勢にとっても重要な意義を持つ。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/TF)

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