米政府は「尖閣領土問題」の存在を認めており、「日中紛争棚上げ」が究極の解決策―米有力教授

Record China    2013年11月27日(水) 17時22分

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27日、米国とアジアの外交事情に詳しいジャオ・チュエンション(趙全勝)米アメリカン大学国際関係学部教授・アジア研究所長 は日本記者クラブで記者会見し、尖閣諸島問題について、米国の立場は、究極的に主権については日中どちらの側にも立たない、ということであり、平和的な解決を求めている。逆に言えば米国は領土問題の存在を認めている」と指摘した上で、1972年の日中国交正常化交渉時の尖閣諸島棚上げに戻ることが必要との考えを示した。

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2013年11月27日、米国とアジアの外交事情に詳しいジャオ・チュエンション(趙全勝)米アメリカン大学国際関係学部教授・アジア研究所長 は日本記者クラブで記者会見し、尖閣諸島問題について、「米国の立場は、究極的に主権については日中どちらの側にも立たない、ということであり、平和的な解決を求めている。逆に言えば米国は領土問題の存在を認めている」と指摘した上で、1972年の日中国交正常化交渉時の尖閣諸島棚上げに戻ることが必要、との考えを示した。中国政府の航空識別圏設定について「昨年9月の尖閣諸島国有化後に、反日デモなど抗議行動の一環として検討されその線上にある」と言明した。

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発言要旨は以下の通り

中国政府の航空識別圏設定は、昨年9月の尖閣諸島国有化後に、反日デモなど抗議行動の一環として検討されたもので、その継続の線上にある。

今年初めのシャングリア会合(アジア安全保障会議=アジア太平洋地域の国防大臣などが多数参加)で中国人民解放軍の副参謀長が「中国としては主権問題を棚上げしたい」と(トーンダウンした)主旨の発言をしたが、日本政府は「領土紛争は存在しない」として前向きに受け止めなかった。中国は「2国間に領土問題が存在する」との立場であり、「航空識別圏は日本の方が先に設定し、中国は後から設定した」と主張している。紛争があることを認めさせたい中国の立場から見れば識別圏設定は自然の流れと言える。

米国を含めどの国も尖閣諸島をめぐる日中間の紛争が平和的に解決するよう求めている。安倍政権が「領土紛争は存在しない」という立場をいつまで言い続けるかわからないが、歴史的に記録が残されている。1972年に田中角栄首相が北京を訪問し周恩来首相と会談した際、田中首相の方から尖閣諸島問題を提起している。周首相は「今は解決できない。今話し合うのはやめよう」と述べ、田中首相もこれに同意している。1978年に来日したトウ小平氏もこの日本記者クラブで「我々の世代では解決できない。知恵のある後世の世代に委ねよう」と明言、日本側も異議を挟まなかった。メディアも(「棚上げ合意」を)大きく報道した。

日本政府が領土問題は存在しないと言いだしたのは、最近のことである。米国の立場は、究極的に「主権については日中どちらの側にも立たない」ということであり、平和的な解決を求めている。逆に言えば米国は「領土問題の存在」を認めている。台湾の馬政権も紛争があることを認めている。平和的な解決のためには最初の状況すなわち41年前(1972年の国交正常化に伴う尖閣諸島棚上げ)に戻ることが必要である。早く相互信頼関係を取り戻すことである。

72年の日中首脳会談で田中首相は「信頼がすべて」との書を贈った。これに対し周首相は「言葉にしたら実行する必要がある」との主旨の書を田中首相が帰国する際贈った。これは歴史の事実であり、今こそ日中の政治家同士で動くべきだ。中曽根氏(元首相)は東アジアの東洋思想に基づいて相互信頼の大切さを説き、胡耀邦元総書記と個人的な友情関係を築いた。両国のハイレベルの政治家は個人間でも信頼関係を結ぶ必要がある。

中国の経済発展は目を見張るばかりで、GDPなどは3年ごとに一段階づつ上がり続け、米国にとって最も影響力のある国になっている。米国と中国は補完的な関係を築くことができる。米国はアジア太平洋地域において軍事、政治はリーダーであり続けるが、経済は中国がリーダーシップを取っていく。中国も上海でフリーゾーン(特区)をつくるなど対外開放策を意欲的に推進している。金融危機、地球環境、中東、シーレーンなど二つの大国が協力しなければいけないという面が多く出現している。他の国を除外することではなく、包摂的に取り組んでいくことになる。日本も含めた3カ国が協議し協力すればこの地域に安定と繁栄をもたらすだろう。(取材・編集/HY)

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