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<直言!日本と世界の未来>日本の総人口、今年51万人減=鳥取県分消滅の衝撃―立石信雄オムロン元会長

配信日時:2019年12月29日(日) 9時40分
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今年1年間に生まれた子どもの数は過去最少の86万4000人。「自然減」は51万2000人で初めて50万人を超えた。毎年、鳥取県一県分が消滅しそうな勢いで人口が減っている計算である。

日本の少子化がさらに深刻化している。厚生労働省が発表した2019年の人口動態(推計)によると、1年間に生まれた子どもの数は過去最少の86万4000人。1899年の統計開始以来初めて90万人を下回った。死亡数から出生数を引いた「自然減」は51万2000人で初めて50万人を超えた。鳥取県の人口は約55万人。毎年、一県分が消滅しそうな勢いで人口が減っている計算になり深刻だ。

出生数は前年より約5万4000人減った一方、死亡数は前年より約1万4000人増えて戦後最大の137万6000人となった。出産数が減少したのは、人数の多い「団塊ジュニア世代」(1971~74年生まれ)が40代後半になり、出産期にあたる女性が減ったことが大きいとされる。

 

出生数は「団塊の世代」(1947~49年生まれ)が誕生した49年の約269万人をピークに、団塊ジュニア世代の73年には約209万人と再び増加。しかし、その後は減少傾向が続き、16年には出生数が100万人を切った。

結婚は前年より約3000組減少し、58万3000組と戦後最少を更新。結婚をしない「生涯未婚」を選ぶ人も増えたという。一方で離婚件数が毎年20万件超の高い水準で推移していることも影響しているようだ。

また民間団体の「働く女性の意識に関するアンケート調査結果」でも、「人生は楽しむもので結婚や仕事が絶対とは思わない」が多数を占め、結婚や子どもは二の次というような答えもあったのに対して、「結婚して子どもを育てることが人生最大の目的」とした女性はたったの3割にとどまっている。

このデータから見てとれる少子化や未婚率の増大・晩婚化は確かに女性の職場進出や高学歴化、教育費や子育て費用の負担増などが背景にあるが、それ以上に現代の女性が従来の「女性らしくそれなりの役割を果たせればよい」という抑圧された世界から解放されて、人生に違った価値や生きがいを見いだした結果であろう。

「子どもを持ちたいと希望する人が安心して産み育てることができる環境や条件整備をする」だけで、少子化問題を解決できるのか疑問である。十数年前には、ある国があの調子で人口が増えると大変だなあと思っていたが、今や高齢者が増えているわが国と違って、若年層が増えていることを羨ましく思うようになったのは、私の年のせいかもしれない。

最新の国勢調査があった2015年10月1日時点の日本の人口は1億2428万人。2010年の前回調査に比べ107万5000人減少した。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2048年に9913万人と1億人を割り込み、2060年には8674万人(4132万人減)まで減少するとされている。また、人口の高齢化率(65歳以上人口割合)についても、2010年の23%が2060年には40%へと上昇し、わが国は、これまで経験したことのない高齢社会を迎えることとなる。

特に2025年には、いわゆる団塊の世代すべてが75歳以上となり、後期高齢者が全人口の5人に1人を占めるようになる。国民皆保険を中心とする保健医療制度などの持続性を維持しながら、一人ひとりの健康寿命をどう延ばしていくか。未曾有の難題解決へ待ったなしといえる。

人口と労働人口がともに減少し、少子高齢化が同時進行している国は先進国では日本だけ。移民流入などにより、米国は増加傾向。ドイツは人口こそ若干減り始めているものの労働人口は増えている。中国は日本ほど深刻ではないものの出生率の低下に直面しており、将来、人口減少時代が到来すると試算されており、「1人っ子」政策撤廃に続いて現在の「2人っ子」政策も見直す方向という。韓国の出生率の急低下も懸念されている。

65歳以上まで含めると3人に1人に近づく「2025年問題」。日本は今こそ官民が一致協力して持続可能性のある新たな社会保障モデルが必要である。

<直言篇106>

■筆者プロフィール:立石信雄
1959年立石電機販売に入社。1965年立石電機(現オムロン株式会社)取締役。1995年代表取締役会長。2003年相談役。 日本経団連・国際労働委員長、海外事業活動関連協議会(CBCC)会長など歴任。SAM「The Taylor Key Award」受賞。同志社大名誉文化博士。中国・北京大、南開大、上海交通大、復旦大などの顧問教授や顧問を務めている。SAM(日本経営近代化協会)名誉会長。エッセイスト。

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