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<直言!日本と世界の未来>安倍首相、在任期間最長にふさわしい風格を=経済改革実現目指せ―立石信雄オムロン元会長

配信日時:2019年11月24日(日) 7時20分
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安倍晋三首相の通算在任期間が、明治後半から大正時代にかけて首相を務めた桂太郎を超えて史上最長になった。2012年12月に第2次安倍政権はスタート。企業収益や雇用情勢の好転を追い風に安定政権を築き、国際社会で日本の存在感を高めた。一方で潜在成長力の底上げや財政健全化への取り組みは遅れており、国民の間に将来への不安も消えない。

安倍首相の経済政策・アベノミクスによって株価が上昇したのは経済界として歓迎すべきことだ。日銀による異次元緩和と株式のETF買いが寄与している面は否めない。大企業の収益は総じて増えたが、実質賃金は上昇しない。景気回復の実感は乏しく、富裕層との格差が広がっていると感じている人も多いようだ。肝心の経済成長戦略は奏功しておらず、年間経済成長率は1%前後に低迷。中国の6%、米国の3%はおろか韓国の2%をも下回るという。

長期政権は安定的に政策に取り組める利点がある。しかし安倍政権は国論を二分した安全保障法制などを強硬突破で実現させたものの、人口減少問題に対応する社会保障改革といった中長期的課題はほとんど手付かず状態である。

一方で、長期政権に伴うおごりや緩みが目立っていると思う。閣僚が政治資金問題や不適切発言で辞任に追い込まれるケースも続出している。最近浮上した「桜を見る会」問題では、公金の私物化が批判されている。在任期間史上最長となった首相にふさわしい風格と公明性を期待したい。

自民党が国政選挙で連勝してきたのは、旧民主党政権に対する国民の失望が今も続いている事情も大きい。世論調査を見ても、内閣を支持する理由として格段に多いのは「他に良い人や政党がない」ためで、積極的支持とは言えない。 おごりを捨てるとともに、内政、外交の厳しい検証が必要だ。
 
外交では、トランプ米大統領と良好な関係にあり、最大の貿易相手国・中国とも関係改善を追求しているのは評価できるが、ロシアとの北方領土交渉では解決は遠のいている。最重要課題としてきた北朝鮮の拉致問題は糸口も見えない。さらなる外交努力を期待したい。
 
国民の信頼を基礎に、首相には改革など諸懸案の実現に向け、さらなる指導力を発揮していただきたい。
<直言篇104>




■筆者プロフィール:立石信雄
1959年立石電機販売に入社。1965年立石電機(現オムロン株式会社)取締役。1995年代表取締役会長。2003年相談役。 日本経団連・国際労働委員長、海外事業活動関連協議会(CBCC)会長など歴任。SAM「The Taylor Key Award」受賞。同志社大名誉文化博士。中国・北京大、南開大、上海交通大、復旦大などの顧問教授や顧問を務めている。SAM(日本経営近代化協会)名誉会長。エッセイスト。
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