<直言!日本と世界の未来>皇統断絶の危機回避へ「女性天皇」検討を=天皇皇后ブームを喜ぶ―立石信雄オムロン元会長

立石信雄    2019年11月17日(日) 11時26分

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即位の礼や祝賀パレードなどが華やかに行われ、国民の間に天皇皇后ブームが湧き起こった。テレビ映像などで拝見し、日本人として誇らしい思いを抱いた。

即位の礼や祝賀パレードなどが華やかに行われ、国民の間に天皇皇后ブームが湧き起こった。テレビ映像などで拝見し、日本人として誇らしい思いを抱いた。天皇陛下には皇太子殿下時代に何回もお会いしているので、喜びもひとしおであった。

ところが、日本の皇統は断絶の危機に直面し、やがて天皇制は自然消滅してしまうことが懸念されているという。皇室典範は「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と定め、皇位継承権者を男系男子に限定する。現在の皇位継承者は順に(1)秋篠宮さま(2)悠仁さま(3)常陸宮さま―の3人だけ。悠仁さま以外は天皇や上皇と同世代なので、このままでは先細りとなってしまう。2005年11月、当時の小泉純一郎首相が設けた「皇室典範に関する有識者会議」が、女性天皇や母方が天皇の血筋を引く女系天皇を容認する内容の報告書をまとめたが、翌2006年2月に秋篠宮妃紀子さまが悠仁さまを懐妊されたことが明らかになり、議論はしぼんだという。

上皇さまの退位に当たり17年6月に成立した皇室典範特例法は、付帯決議で「安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等」を代替わり後に検討し、国会に報告するよう政府に求めている。

女性宮家は女性皇族が結婚後も皇室にとどまるもの。皇族数減少への対策となるが、皇位継承を男系男子に限る現行制度では、皇位継承者の確保にはつながらない。政府は今後、本格的な議論に着手するが、保守勢力は女性天皇に反対しているようだ。

 

皇室典範上の皇位継承順位とは別に、次世代の皇室の継承者として国民から期待されるのは若い世代の悠仁さまと愛子さま。政府は皇位継承資格を男系男子に限っていることについて国会で「男系継承が古来例外なく維持されてきたという我が国の伝統を踏まえたもの」と答弁しているが、愛子さまのような男系女性天皇は否定されていない。過去に男系女性天皇は推古天皇、持統天皇など8人も存在するというから前例踏襲にもなる。

男性天皇に限定することは「男女共同参画」「1億総活躍」の政府目標にも逆行する。世界の王室に比べ日本の男子に限る継承制度は異常で、男系の長子が男女にかかわらず継承することがわかりやすく多様性時代に合致しているとの声は根強く、各種世論調査では70~80%が女性天皇を容認している。

言論NPOの「信頼できる対象」についての世論調査によると、「天皇・皇室」との回答が87%と断トツ。「国会」「政府」「メディア」がいずれも20~30%台にとどまったのと好対照だった。天皇皇后の国民に真摯に寄り添う姿勢と平和志向が評価されているようだ。両陛下が男女平等社会を体現されていることも高い信頼につながっていると思う。

<直言篇103>



■筆者プロフィール:立石信雄 1959年立石電機販売に入社。1965年立石電機(現オムロン株式会社)取締役。1995年代表取締役会長。2003年相談役。 日本経団連・国際労働委員長、海外事業活動関連協議会(CBCC)会長など歴任。「マネジメントのノーベル賞」といわれるSAM(Society for Advancement of Management)『The Taylor Key Award』受賞。同志社大名誉文化博士。中国・北京大、南開大、上海交通大、復旦大などの顧問教授や顧問を務めている。SAM(日本経営近代化協会)名誉会長。エッセイスト。

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