世界中を魅了する日本の「文化融合力」はすごい!―中国人学生

日本僑報社    2019年7月21日(日) 14時50分

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華東師範大学の陳詩雨さんは、日本のアニメをきっかけに日本文化に惹かれたという。

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京都市伏見区のアニメ制作会社・京都アニメーションの第1スタジオで発生した火災に、中国からも多くの哀悼の声が上がった。日本アニメの世界への影響力を改めて感じられる出来事だった。華東師範大学の陳詩雨さんは、日本のアニメをきっかけに日本文化に惹かれたという。以下は陳さんの作文。

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ネットで日本のアニメ動画をクリックすると、学校の部活で剣道着の高校生が汗をかき、浴衣を着ているカップルが打ち上げ花火を見つめ、俳句や川柳が言葉遊びの形でまだ盛んに行われているシーンなどがよく見られます。日本人の現代生活が昔ながらの美に染められていることは、アニメを通じて世間に伝わりました。このような「文化融合力」を持つ日本はすごいし、魅力的だと思った私は、深く日本の文化に惹きつけられました。

文化融合力とは、日本の伝統文化をポップカルチャーに作り替えたり、また、他国の文化を日本文化に溶け込ませたりする、日本ならではの素晴らしい能力です。伝統文化を中身に、若者の目を引きつけられるポップカルチャーを包装に、日本文化が国内にも世界中にも大きな影響を与えています。一方、異文化の優れている要素を日本に取り入れ、また新しい日本文化が生み出せることで、多様性を持つ日本文化は世の中の脚光を浴びています。

近年、日本では「刀剣ブーム」が巻き起こりました。日本刀の愛好家といえば、おじさんしかいないと思われてきましたが、最近たくさんの若い女性が、刀を展示している博物館や美術館を訪ねる光景が見られるようになりました。そのきっかけは「刀剣乱舞」というオンラインゲームです。

私自身もこのゲームをしているから、「刀剣女子」の気持ちがよく理解できます。「刀剣乱舞」は、日本の歴史に登場する刀剣を「刀剣男子」として擬人化させたゲームです。加州清光、三日月宗近といった様々な名刀はアニメ風のイケメン男子に作り替えられ、女性の心を魅了しました。刀剣女子はある「刀」に惚れ、刀剣に興味を持って本物を見に行くようになりました。歴史を語っているように輝きを放つ刀をガラス越しに見ていると、その姿はキャラクターイメージにつながり、伝統と現代が交錯して目が眩みます。これにより、刀の美しさや歴史的な物語性を感じ、関心が高まってきました。こうして、「刀剣乱舞」は刀文化といった伝統文化をポップカルチャーのゲームに作り替えて、若者の目をゲームのみならず、刀文化にも向けさせました。「文化融合力」は大いに発揮されたのではないでしょうか。

伝統文化とポップカルチャーの融合だけでなく、視野を広めて日本文化全体に目を向けたら、他国の文化と日本文化の融合はさらに目立っています。私は中学校の時、アニメを通して、日本語には中国語の漢字があることに初めて気付きました。とはいえ、漢字なのに全然聞き取れないし、意味も何となく違うような気がして、興味を持つようになりました。日本語を勉強してからその由縁を知りました。遠い昔、日本語はまだ文字を持っていない「大和言葉」である時期、日本人は中国の漢字に触れて、勉強し始めました。

それで、日本人は習ってきた漢字と大和言葉を巧みに合わせて、中国語の発音と違う、日本ならではの漢字の「訓読み」を作り出しました。春、夏、秋、冬…中国語と同じ漢字ですが、発音は日本独自のものです。それから、日本語の音を表すため、日本人は漢字の形から仮名を発明し、全ての大和言葉がほぼ表せるようになりました。こうして、本来何の関わりもない二つの言葉が一つに溶け合いました。漢字を表意文字に、仮名を表音文字にして、両方同時に使っている日本語が誕生しました。このような漢字かな交じり文は世界においても、類のないとても独特な言語です。これは日本の「文化融合力」の一番有力な証拠なのではないでしょうか。

私はアニメやゲームといったポップカルチャーを通じて、日本の歴史や伝統文化に触れるのみならず、中国の文化が日本に影響を与え日本らしく発展していることにも気付き、とても感心しています。「文化融合力」を持っている日本は伝統文化を大事にしながら、そこに新しい文化を注入し、日本らしい文化を次々と開花させ、世界中を魅了しているのではないでしょうか。(編集/北田

※本文は、第十四回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「中国の若者が見つけた日本の新しい魅力」(段躍中編、日本僑報社、2018年)より、陳詩雨さん(華東師範大学)の作品「半端ない文化融合力」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

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中国人の日本語作文コンクール受賞作品集はコチラ
http://duan.jp/item/267.html

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