実りつつある日中の科学技術交流―藤嶋昭(東京理科大学栄誉教授)

配信日時:2019年5月31日(金) 14時0分
<インタビュー>実りつつある日中の科学技術交流―藤嶋昭
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東京理科大学の元学長である藤嶋昭栄誉教授は光触媒研究の権威として知られ、その光触媒技術はすでに医療の現場やガラスの曇り止めといった日常生活でひろく活用されているものである。
東京理科大学の元学長である藤嶋昭栄誉教授は光触媒研究の権威として知られ、その光触媒技術はすでに医療の現場やガラスの曇り止めといった日常生活でひろく活用されているものである。また、1979年の訪中以来、中国人留学生の受け入れと養成を通じ、日中の学術交流に取り組んでこられた。教え子の留学生たちは帰国後、中国の科学界をリードし、今日に至っている。(聞き手は『人民日報海外版日本月刊』編集長・蒋豊)

<日常生活に浸透した「光触媒」>
――日本は生命科学、化学、物理学、環境問題など、多くの分野で世界のリーダーであり、毎年のようにノーベル賞を受賞しています。藤嶋先生ご自身も、毎年ノーベル化学賞候補にノミネートされていますが、先生の光触媒研究についてわかりやすく説明していただけますか。

藤嶋:光触媒というのは、植物を例にしますと、植物は葉の表面に光が当たって酸素が出ていますが、それは葉の表面の葉緑素が光に反応して、二酸化炭素と水から酸素とでんぷんを作り出しているからです。葉緑素が「触媒」になって、その現象を促進しているわけです。その葉緑素の代わりに酸化チタン――白ペンキの材料などになるものですが――を水の中に入れて太陽の光を当てると、水が分解して酸素と水素になるという現象を、私は東大大学院の学生のとき、1967年に見つけました。これがスタートで、今では酸化チタンによる光触媒が水滴によるガラスの曇りを防ぐことから、車のサイドミラーや浴室の鏡など、日常生活のありとあらゆるところで使われています。

中国の場合でも、光触媒を応用した一番代表的な例は、北京の天安門広場の横にある国家大劇院というきれいなガラスドームです。あのガラス屋根にはチタン複合材が使われており、汚れることはありません。あれは中国の科学者・江雷君が光触媒を建築資材に応用したものです。江雷君は1992年から7年間、私のところに留学した研究者です。

<研究プラス「一般教養」のための読書を推奨>
――東京理科大学は先生が学長に就任されて以来、雰囲気が変わり、学生も本をよく読み「文理両道」の教養を身に付けるようになったと言われています。大学の使命と役割について、先生はどのようにお考えですか。

藤嶋:大学では、若い方を教育して、専門分野に強くする。それから社会に出て活躍するという、そのための一番の基礎を教えるわけです。理科大の場合はそれが非常にうまくいっていると思います。優秀な学生がたくさん受験します。今年は6万人です。そこから大体4000名弱の人が入学し、4年間一生懸命勉強します。理系ですから、みんな大体は大学院に行き、少なくとも修士(マスター)までは行きます。教育をいかにしっかりやるかということが、理科大の伝統なのです。
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