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中国が有人月探査に一歩…開発目指す長征9号用・新型500トンクラスのロケットエンジン試験に成功

配信日時:2019年3月27日(水) 21時40分
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中国航天科技集団で推進技術を研究開発する同集団第六研究院は、有人月探査に利用することを念頭に置いた長征9号(CZ-9)の第1段に使用する推力500トンクラスのロケットエンジンの試験に成功した。写真は内モンゴル自治区西部にある酒泉衛星発射センター。

中国航天科技集団で推進技術を研究開発する同集団第六研究院が24日、有人月探査に利用することを念頭に置いた長征9号(CZ-9)の第1段に使用する推力500トンクラスのロケットエンジンの試験に成功した。中国メディアの中国新聞網が2019年3月26日付で報じた。

開発中のエンジンは石油系燃料のケロシンと液体酸素を反応させるタイプ。日本のH2Aで採用した液体水素・液体酸素タイプのエンジンと比べて、同じ量の推進剤で生み出すことのできる推力は小さいが、推進剤の取り扱いが比較的容易で、同一推力なら小型化しやすい特徴を持つ。

記事によれば、第六研究院の李斌副院長は24日に実施した試験について、エンジンのターボポンプやガス発生機、その他の部品の連動を確認したと説明。安定した作動を確認でき、今後のさらに本格的な試験の基礎が樹立されたという。

中国は、有人月探査での利用を念頭に、長征9号の開発を目指している。長征9号および同ロケットに使用するエンジンの開発は、有人月探査の成否を決定づける要素になる。

なお、有人月探査では、宇宙飛行士を月に到達させ地球に帰還させるために、無人探査と比べて圧倒的に大きな質量を宇宙空間に送り出す必要がある。米国は1960年代、アポロ計画のために現在に至っても打ち上げ能力が最も大きいサターン5型ロケットを開発した。同ロケットの第1段はF-1というロケットを5基束ねる形式だが、F-1の推力は1基当たり700トン程度(後期型)で、やはり史上最大だ。

一方、当時の米国のライバルだった旧ソ連は、F-1のような巨大推力のロケットエンジンではなく、従来型の推力のロケットを多数束ねることで推力を得ようとした。

中国が長征9号1段目で使用しようとするロケットは推力500トンで、F-1に近いことになる。中国は有人月探査の実現について、旧ソ連方式でなく米国方式の踏襲を考えていると判断できる。(翻訳・編集/如月隼人

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