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<現地ルポ・中国の実態(2)>国際都市・瀋陽、クリスマスイブを祝う若者で大賑わい=瀋陽SHY48の劇場に日本人客も―北朝鮮出稼ぎ店も大人気

配信日時:2019年1月2日(水) 9時30分
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昨年12月に中国の東北地方を訪問、現地の実態を取材した。写真は北朝鮮国旗が掲げられた瀋陽・コリアタウン(筆者撮影)。「<現地ルポ・中国の実態(1)>米中経済覇権争い、中国は持久戦略=習主席、対米融和へ訪米か―国交樹立40周年で双方歩み寄り」より続く。
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昨年12月に中国の東北地方を訪問、各地を取材し多くの人たちと交流した。東北地方の中心都市・瀋陽は遼寧省の省都で人口は約700万人。同省大連や丹東、吉林省長春、黒竜江省ハルビンなどに向けた鉄道や高速道路網の中核都市である。鉄鉱石や石炭などの資源が豊富で、機械工業などの重工業を中心に発展してきた。農業では、トウモロコシ、水稲などの生産が盛んだ。この街の重工業が中国経済を引っ張ってきたが、改革開放で急速に発展した上海などの沿海部に後れをとった。地元のシンクタンク幹部は「今、中国政府は再び、この地域の振興策に力を入れ始めている」と明かした。

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清朝が17世紀半ばに北京に遷都するまでは国都とされ、盛京と呼ばれた。その後は奉天となったが、辛亥革命(1911年)を経て瀋陽に変わった。太祖ヌルハチがつくった故宮やその墓である東陵、2代目皇帝ホンタイジ(太宗)の陵墓、昭陵は広大で往時の栄華が偲ばれ、中国人や外国人の観光客が詰め掛けていた。特に神道には対となった獅子、麒麟、馬、象などの巨大な石獣が並び、圧巻だった。訪れたのは零下20度にもなる厳寒の季節だったので、大きな池には氷が張り、地元民がスケートに興じていた。

「旧満州国」の時代には再び奉天と呼ばれ、「首都」となった新京(現在の吉林省長春)などと並んで、日本支配の拠点となった。満州事変勃発のきっかけとなった柳条湖事件(1931年)の現場近くには今、旧日本軍の中国侵略の歴史を伝える「九・一八歴史博物館」がある。1931年9月18日、日本の関東軍は自ら南満州鉄道の柳条湖区間の線路を爆破し、中国側の仕業とする謀略を展開。これを口実に関東軍は中国東北部を侵略、1932年の満州国建国につながった。

このほか、中国東北部軍閥の首領だった張作霖とその長男、張学良の官邸兼私邸も豪壮で、多くの観光客で賑わっていた。

現代の瀋陽の目抜き通りは超高層ビルが林立し、片側5車線の大通りに車やバスが行きかっていた。2つの地下鉄路線があり、繁華街の中街路に12月24日夜に訪れたが、夥しい若者が繰り出してクリスマスイブを楽しんでいた。赤、黄、緑などのイルミネーションも華やかで、レストランやショップの店員はサンタ帽を被り、人々の表情は皆明るい。このような地方都市でも欧米系ブランドショップやアメリカ人で溢れ、庶民レベルでは「米中摩擦」は全く感じられなかった。

この大通りから一本入った北中街路に瀋陽SHY48の劇場があった。瀋陽SHY48 Team HIII デビュー公演『ドリーム・フラッグ(夢想的旗幟)』が行われていた。AKB48の曲もレパートリーとなり、日本語で歌われることもあったという。ファンは日本と同じ日本語でコールし、国境も民族も関係ない世界が展開していた。1年前から続けられ、18年12月30日が最後の公演だったが、「SNH48(上海)・BEJ48(北京)・GNZ48(広州)・SHY48(瀋陽)グループ」を日本から応援する会まであり、「日本人ファンも訪中し応援していた」(日本のファンクラブ関係者)というから本格的。日本のアニメやゲームと同様、日中文化の架け橋となっていることを実感した。

北朝鮮に近い瀋陽には中国最大規模のコリアタウンが瀋陽駅近くにある。大きな北朝鮮国旗が掲げられ、同国レストランも多く存在、朝鮮半島の民族衣装をまとった、出稼ぎの北朝鮮女性がアリランなどの歌と踊りを披露していた。客は中国人家族連れが多く、この街では民族や言葉の違いを乗り越えて、一般庶民が楽しそうに交流していた。(続く)



■筆者プロフィール:八牧浩行
1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役、編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。現在、日中経済文化促進会会長。Record China相談役・主筆。著著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」など。 ジャーナリストとして、取材・執筆・講演等も行っている。

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