インドネシア墜落機は中国企業からのリース、中国側に航空業界の知識不足、リース業不慣れなどの問題

配信日時:2018年10月31日(水) 10時20分
インドネシア墜落機は中国企業のリース、中国側に知識不足などの問題
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29日に墜落したインドネシア機は中国民生投資集団(CMIC)がリースしたものだった。中国新聞社は中国のリース会社には航空関連の業務についての知識が不足しており、リース業務そのものにも経験が不足していると指摘する記事を発表した。写真はCMIC社屋。
中国メディアの中国新聞社は30日、インドネシアの格安航空会社、ライオン・エアー機が29日に墜落し、乗員乗客189人全員が死亡した可能性が高いとされている事故で、墜落機は中国企業からリースされたものと紹介し、中国のリース会社には航空関連の業務についての知識が不足しており、リース業務そのものにも経験が不足していると指摘する記事を発表した。

記事によると、事故機をライオン・エアーにリースしていたのは、中国民生投資集団(CMIC)だった。同社は2014年に中華全国工商業聯合会がけん引役になり、著名財界人59人が発起人として動くことで設立された企業。本部は上海に置いている。

事故機は8月13日付でリースした。製造されてから4カ月にならない機体だったという。記事は、インドネシアでは航空機事故が多発していると指摘。CMICにとってライオン・エアーへのリースは、全損した機体の価格分は保険会社からCMICに支払われるものの、リースによって得られるはずの収益を得られなくなった点で、ビジネスとしては失敗だったと指摘した。

記事は、同機のリースで用いられたファイナンスリースの仕組みについて紹介した。リース会社がユーザー(リースを受ける側)の求めに応じて、リース品供給業者からリース品の購入契約を締結し、同契約にもとづきリース品がユーザーに引き渡される。ユーザーはリース会社との契約にもとづいてリース料を支払う。

航空会社がファイナンスリースを利用して大型航空機を獲得するのは、世界の航空業界で通常の方法で、中国の航空会社の場合、リースによって運用している航空機の比率は50%以上という。

記事はまた、中国社会科学院金融研究所の周茂清研究員の見解を紹介。周研究員は、航空機購入のためには莫大な資金が必要であり、ファイナンスリースの方式を採用すれば、航空会社は負担を減らしつつ運輸能力を急速に向上させることができると指摘した。

ただし、リース会社の職員には、リース品の購入を実施する過程で、リース品の性能や規格や価格などを完全に熟知していなければならないなど、高い専門知識と能力が要求される。さらにユーザーの経営状況も詳細に知っていなければならない。ユーザー側が、リース品を有効に利用して業績を上げ、リース代金を契約通りに支払う能力があるのかどうか、見極めねばならなど、自社側のリスク見積もりを精密に実施せねばならないからだ。

航空機リースの場合、リース会社の担当者には、航空機の性能面や保守・運用、航空会社の日常業務など、航空業界の専門知識が求められる。周研究員は、CMICのリース機が全損事故を起こしたことは、CMICのリスクコントロール意識が低く、CMIC職員は、ライオン・エアーの経営能力や経営レベルをよく理解していなかったことを意味すると主張した。

周研究員はさらに、中国のリース業界はまだ発展しはじめた段階であるために、避けがたい状況も発生していると指摘。まず業務をしてきた期間が短いので、経験の蓄積が限られている。ファイナンスリリースの場合には、多くの職員が銀行業から移ってきた。そのため、銀行融資については経験があるが、ファイナンスリースの業務にはあまり慣れていないという。

周研究員によると、2017年末において中国でリース業を営む法人は9090社で、うち8745社が外資系で、中国資本は276社。うち、ファイナンスリースを行っているのは69社。リース業の業務規模は9兆元(約145兆8000億円)に達し、2020年には10兆元(約162兆円)を突破すると見込まれている。

記事によると、中国ではこれまで商務部(商務省)がリース会社を所管してきたが、2018年になり、金融分野のより専門的な部門である中国銀行保険監督管理委員会(銀監会)の所管に移行された。

中国人民大学財政金融学院の趙錫軍副院長は、商務部が所管していた時期には、リスク管理が相対的に弱かったと指摘。銀監会の所管になったことで、リスク管理能力が弱いリース会社は淘汰されるだろうという。

趙副院長は、将来のリース業界の発展を考えれば、まずは過大なリスクを抱えている業界を適切に処理する必要があると主張。リスク管理がきちんとできるようになってから、各社がその長所を生かし、市場の需要に応じてリース業務を推進していくべきとの考えを示した。(翻訳・編集/如月隼人
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