<コラム>「日本が負ければいい」韓国人がW杯で日本を応援しない理由

木口 政樹    2018年7月4日(水) 22時10分

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今回のロシア大会。アジア勢は日本だけを残して全て散ってしまった。16強に這い上がったのは日本のみ。だったらアジアの人は皆日本を応援するのだろうか。否だ。写真はサッカーワールドカップロシア大会。

2-2の後半ロスタイムにシャドリが劇的な逆転ゴールを決めたことでベルギーが3-2で日本に勝利した。このとき、KBS(韓国放送公社)のハン・ジュンヒ解説委員が「シャドリ、ありがとうございます」と興奮気味にコメント。

韓国の一部の視聴者から「公営放送のKBSでこのような不公正な解説をしてもいいのか。いくら日本が勝つのが気に入らなくても、解説は公平にすべきではないのか」「韓日戦でもないのにこのような不公正中継をするなんて、解説者ならもっと中立性を守って中継するべきだ」といった批判のコメントも寄せられているようだ。

そんなことを言ってくれる視聴者のかたにはほんと、感謝したいけれど、例外的に彼だけがそんな発言をしたのではないというところが重要だ。KBSが話題になっているわけだが、それはMBCだろうとSBSだろうと皆同じなのだ。

心の底に「日本が負ければいい」という気持ちが知らず知らず潜んでいるからだ。それにはいろいろな原因が考えられる。一つ、歴史的な観点から常に日本に対して反発心があるから。一つ、韓国が16強に行けなかったのに日本だけ行ってまた勝ったら韓国がさらに下になってしまう。日本の下になるのは死ぬよりもいやだから。いろいろあるなかで、この二つの観点が重要なところだろう。

だんご3兄弟という歌があった。その歌詞の中に「自分が一番、次男」という部分がある。次男は常に長男を追い越そうとする本能的な闘争心があるようだ。

ちょうどこの歌詞のように、「自分が一番、韓国」という感じなのである。歴史的には中国(長男)、韓国(次男)、日本(三男)の順序だと思うけれど、いったんサッカーとなれば、「自分が一番、韓国」なのである。

上の韓国の解説者の発言で泣かせるのが、「本能を隠せなかった。敗れたチームには申し訳ない」と語っている点だ。彼らがアンチ日本になるのは、本能なのである。きれいな女性を見て気分の悪くなる男はいないはずだ。本能だから。そのレベルで「本能的に」サッカーでは日本に負けてほしいのである。

解説者がどんなことを言おうと、それにいちいち腹を立てる自分は今はいない。言わせておけというのが今の筆者の心情である。サッカーでは「本能的に」アンチになっても、仕事や付き合いとなるとまた別だ。筆者も大好きな韓国人がたくさんいるし、韓国の人もつきあいのレベルになるとアンチ日本ではない。シンパ日本が大部分だ。全てをなげうって筆者のためにしてくれる韓国の人もあまたいる。

だから告白すると、W杯の放送(日本の関係するゲーム)は、ミュートにして見ている。ゲームだけ見ていればそれが一番だし、こいつ何をほざいているんだ、などとストレスを受けずに済むからだ。なにはともあれ、日本のロシアW杯は終わった。8強まで行ってほしかったけれど、あれだけやれれば「すごい!よくがんばった。日の丸戦士よ」と言ってあげたい。次のW杯では久保建英なども出てくる。また楽しみが待っていてくれるじゃないか。4年後に期待しようではないか。

■筆者プロフィール:木口政樹

イザベラ・バードが理想郷と呼んだ山形県米沢市出身。1988年渡韓し慶州の女性と結婚。三星(サムスン)人力開発院日本語科教授を経て白石大学校教授(2002年~現在)。趣味はサッカーボールのリフティング、クラシックギター、山歩きなど。

■筆者プロフィール:木口 政樹

イザベラ・バードが理想郷と呼んだ山形県・米沢市出身。1988年渡韓し慶州の女性と結婚。元三星(サムスン)人力開発院日本語科教授、元白石大学校教授。趣味はサッカーボールのリフティング、クラシックギター、山歩きなど。著書に『おしょうしな韓国』、『アンニョンお隣さん』など。まぐまぐ大賞2016でコラム部門4位に選ばれた。

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