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<直言!日本と世界の未来>世界の男女平等ランキング「日本114位」にショック=女性が働きやすい環境整備に向けて―立石信雄オムロン元会長

配信日時:2018年4月29日(日) 5時0分
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世界各国の男女平等の度合いを示した2017年版「ジェンダー・ギャップ指数」(世界経済フォーラム=WEF)を読んでショックを受けた。日本は調査対象144カ国のうち、114位で過去最低となった。

世界各国の男女平等の度合いを示した2017年版「ジェンダー・ギャップ指数」(世界経済フォーラム=WEF)を読んでショックを受けた。日本は調査対象144カ国のうち、114位で過去最低となった。

同指数は女性の地位を経済、教育、政治、健康の4分野で分析し、ランキング化している。 日本は女性の閣僚や議員の少なさが目立ち、政治は123位と海外と比べると政治への進出は遅れている。

 経済は114位と依然低い水準だ。男女の収入格差が大きいのが影響しているうえ、専門職や技術職で女性が少ない。教育は識字率が世界1位となっているものの、高等教育の進学率が101位と低く、教育分野全体で74位にとどまっている。

首位は9年連続でアイスランド。女性の政治への参画が際立つほか、男性の育児休業も普及している。2位ノルウェー、3位フィンランドと続く。アジア太平洋地域では、ニュージーランドが9位、フィリピンが10位と上位にランクされている。下位にはアフリカや中東諸国が多い。日本はエジプト(134位)やサウジアラビア(138位)を上回っているが、先進国としては恥ずかしいレベルである。

女性の活躍推進は、なかなか難しい問題だが、コーポレー・トーカルチャー(企業文化)というか、それを受け入れる土壌が職場にあるかどうかにかかっていると思う。私はやはり、経営者の意識の持ちようとリーダーシップに負うところが大きいと考えている。

法制度の側面では、ここ10年あまりでかなり前進しており、企業も人事諸制度の整備を進めてきている。しかし、実態があまり伴っていないのが現状である。法制度や企業の育児支援制度など、器は立派なものがかなり整ってきているが、肝心の中身がない。あるいは中身をいっぱいに満たそうという“志”に欠けているように思う。

経済産業省のある研究報告で、女性の活躍と会社の業績の関係をデータ分析し、「女性管理職比率の高い企業は業績がよい」という結論を導き出しているものがある。その報告書の中で、「女性の活用を促す。企業風土”が根づいていることが、従業員のモチベーションを高め、生産性が高まって好業績につながる」といった趣旨のコメントをしている。

 

これについては業種や業態などの事情があり、単純に比率だけをみることは問題があろうが、私はこの見方に同感である。企業経営者が女性の活躍を促す企業文化、企業風土を醸成するよう努力しているかどうかがもっと問われるべきだと思う。

世界経済がグローバル化し、国際競争力がますます激化するなど、企業を取り巻く環境が大きく変化している中、個々の企業にとって、他社と違った技術、商品、サービスを開発し市場に送り出していく上で、従業員という人の存在はますます重要になってきている。

そうした中で、女性の活躍推進は企業経営上、極めて重要な課題のひとつである。私は女性が働きやすい環境は、男性にとっても生活の豊かさを実感できる社会であり、経済システムであると考えている。“心の時代”踏み出したこれからの企業経営においては、こういった人間視点を持つことが不可欠である。

<直言篇49>

立石信雄】1959年立石電機販売に入社。1965年立石電機(現オムロン株式会社)取締役。1995年代表取締役会長。2003年相談役。 日本経団連・国際労働委員長、海外事業活動関連協議会(CBCC)会長など歴任。「マネジメントのノーベル賞」といわれるSAM(Society for Advancement of Management)『The Taylor Key Award』受賞。同志社大名誉文化博士。中国・北京大、南開大、上海交通大、復旦大などの顧問教授や顧問を務めている。SAM(日本経営近代化協会)名誉会長。公益財団法人・藤原歌劇団・日本オペラ振興会常務理事。エッセイスト。



■筆者プロフィール:立石信雄
1959年立石電機販売に入社。1965年立石電機(現オムロン株式会社)取締役。1995年代表取締役会長。2003年相談役。 日本経団連・国際労働委員長、海外事業活動関連協議会(CBCC)会長など歴任。SAM「The Taylor Key Award」受賞。同志社大名誉文化博士。中国・北京大、南開大、上海交通大、復旦大などの顧問教授や顧問を務めている。SAM(日本経営近代化協会)名誉会長。エッセイスト。

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