<コラム>中国の2018年海水淡水化産業の近況

配信日時:2018年5月1日(火) 19時10分
中国の2018年海水淡水化産業の近況
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海水淡水化は海水脱塩で淡水を産量する。水資源利用技術は水源増加と淡水総量の増加を実現する。時間や気象の景況も受けないため沿海住民の飲用水や工業用水等の安定給水を保障できるのが海水淡水化である。写真は中国。
海水淡水化は海水脱塩で淡水を産量する。水資源利用技術は水源増加と淡水総量の増加を実現する。時間や気象の景況も受けないため沿海住民の飲用水や工業用水等の安定給水を保障できるのが海水淡水化である。

世界10数カ国で100以上の科学研究機関が海水淡水化の研究を行っており、数百種に及ぶさまざまな構造と容量の海水淡水化施設で実用化されている。現在有效な方法として幾つかあるがここでは代表的なものを列記する。第一類蒸留法、多段フラッシュ(MSF)、蒸気圧縮法(VC)、多重効用法(MED)等。第二類膜法、逆浸透膜法(RO)、電気透析法(ED)等。第三類、その他方法の方法として冷凍結氷法、露点蒸発法等がある。

グローバル海水淡水化技術では、ROが総生産量の65%、MSF-21%、EM-7%、EDI-3%、NF-2%、その他2%を占める。

【海水淡水化の産業規模の上昇】
現在の形勢で見ると、水資源給水モデル開拓は切迫した状況にある。生態と環境の持続的な後退や沿海部分地区の地下水超過取水、水質的渇水は深刻な問題となっている。

石化、電力、非鉄金属、製紙、紡績、鉄鋼、石炭等八大産業は水資源消費の代表的産業群である。2016年、中国の工業用水量は1308億トンに達し、中国の用水総量の21.6%となっている。2017年の中国工業用水量は1300.5億トン、これからの数年で工業用水量の下降幅は比較的小さい。

中国の水処理産業はすでに構造調整、エネルギー転換という重要な時期に入っている。需給の多様化構造や低炭化構造のトレンドは益々鮮明となっている。産業チェーンのシステム化が顕著になり水処理産業は新たなビジネス機会と挑戦が並存する局面にある。

クリーン低炭を特徴とする新たな「水源を開発して水の流失を抑える」の勃興は、海水淡水化を今後中国の水資源利用の主要モデルとなる。環境改善政策とコスト低下等の影響で、中国の海水淡水化市場の規模や海水淡水化設備投資規模が拡大している。

2016年の中国海水淡水化設備の市場投資規模は123.5億元(約2105億円)、2017年上半期の海水淡水化設備の市場投資規模は67億元(約1142億円)になっている。

【海水淡水化生産量の急拡大】
近年、中国の海水淡水化能力が高まっている。海水直流冷却、海水循環循冷却、生活用海水技術は運用が進んでいる。海水年間利用では冷却水量は1000億トンに近づき、海水循環冷却の最大単機循環量は毎時10万トンとなっている。

2016年末現在、中国の海水利用産業は成長を維持している。年間の増加額は14.85億元を超え、前年比で7.4%増となっている。具体的に見れば、全国で建設された海水淡水化プロジェクトは計127件、造水規模は120万トン/日になっている。ROと多段フラッシュ法(MSF)が海水淡水化技術の主流を占め、造水コストは6.4(約109円)〜7.5元(約128円)/トンを維持している。現在まだ集計はないが2017年の中国海水淡水化造水規模は127.2万トン/日となる。

国家発展改革委員会と国家海洋局は共同で「全国海水利用『十三五』計画」を通達している。この中で2020年には全国の海水淡水化総造水能力は220万トン/日以上を目標とし、「十三五計画」によれば、国内海水淡水化能力は2023年時点で285万トン/日に達すると予想している。海水淡水化プロジェクトの急成長を背景に、膜設備、RO設備等水処理施設は初期的な規模化モデルが推進される。

【島嶼は海水淡水化計画の重点区域】
2017年末現在、中国にある島嶼(とうしょ)は1万1000余島で陸域総面積は約7万7000平方キロメートル、中国陸地面積の0.8%を占める。面積500平方メートル以上の島嶼は489島がある。この中で一半以上の島嶼は管道引水と船舶運水により用水を保障されている。200余の島嶼が淡水の貯水及び給水施設がなく、一部の島嶼では地下水の過度取水が深刻化しており、海水の流入や水質の悪化が進んでいる。

島嶼の海水淡水化プロジェクトは重要なインフラ施設で、島嶼居住民の用水問題解決を緩和させる。

2017年12月、国家発展改革委員会と国家海洋局は共同で『島嶼海水淡水化工程実施案』を発表している。同案では今後遼寧、山東、青島、浙江、福建、海南等沿海省と市で、3〜5年を掛け重点的に100の島嶼の海水淡水化プロジェクト建設と改造を推進する。初期的計画では総造水能力60万トン/日になる予定だ。2020年には、海水淡水化は渇水の深刻な島嶼地区が重要な給水方式の一つとなる見通しである。

■筆者プロフィール:内藤 康行
1950年生まれ。横浜在住。中学生時代、図書館で「西遊記」を読後、中国に興味を持ち、台湾で中国語を学ぶ。以来40年近く中国との関わりを持ち現在に至る。中国の環境全般とそれに関わるビジネスを専門とするコンサルタント、中国環境事情リサーチャーとして情報を発信している。
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