<コラム>日本が好きな世代なら良いが…いまどきの若い中国人と上手に付き合う方法

山口 康一郎    2017年5月21日(日) 14時0分

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最近、日本に来る中国人観光客の話題が多いようですが、中国人留学生や日本で仕事をする若い中国人も近年ずいぶん増えているそうですね。資料写真。

80年代生まれ前後の80後と言われる世代は、微妙です。85年以降89年以前生まれを区別して85後と呼ぶ場合もあります。年齢としては、26〜40歳ぐらいの人と言えばいいでしょうか。彼らの世代には、愛国的な教育の影響があるのでなんでもかんでも中国が一番じゃないと気がすみません。彼らのライバルは日本ではなくアメリカです。

彼らは、韓国文化も好きです。品質は日本が上だけど、デザインとかセンスは韓国が上だと思っていたりします。年齢的にもすでに社会に出てから10年以上でプライドも高く独立心もあります。ただ、彼らの上にあたる70後世代の考え方の影響や親世代の影響もあって他人より少しでも得を、少しでも楽を、と、行動にちょっとズルい面も感じます。それでも大学を出ていて、銀行員や大企業に勤めている人は、世界の事も知っていて、きちんと話をすれば、分からないわけではありません。

この世代で気をつけるべきは、ラッキーでお金持ちになった人々でしょうか。日本では信じられないほどのラッキーがこの中国にはあります。もちろん、コネやタイミングもラッキーと考えてもらってもいいです。チャイナドリームというものには、どんな形にもラッキーが必ずあります。そういう80後は、正直ちょっと手に負えません。彼らは、もちろん賢いのですが「技を磨かず運を磨く」天才です。そして、困ったことにそれが良い事だと信じています。特に78〜84年生まれの創業者の社長で、その典型みたいな人がたくさんいます。

誤解されても困りますので断っておきます。ここで書いていることは、全員が全員そうだと言っているわけじゃありませんが、そういう傾向があるのは、中国人であっても真っ向から否定できないと思いますね。

何も批判するために書いているわけじゃありません。分かっていただきたいのは、どういう考え方、視点で行動しているかを頭に入れてもらった上で、中国語の「入郷随俗(日本語で『郷に入れば郷に従え』の意味)」を教え伝えれば、彼らもきっと理解します。

もし、何か無体なことを彼らがやらかし、注意しても言い訳や口応えをしてきたら「ここは日本です。あなたは中国語の『入郷随俗』を知っていますよね?日本にも同じ意味の『郷に入れば郷に従え』という言葉があるんです」と、言ってみてください。きっと効果があるはずです。

私だって、中国に住んで「入郷随俗(郷に入れば郷に従え)」で行動しています。ただ、「近墨必緇、近朱必赤」(日本語で『墨に近づけば必ず黒く、朱に近づけば必ず赤くなる』の意味)に十分注意しなければなりませんが。そういう交流が若い世代の中国人を必ずや良い方向に変えていくのだと、私は思っています。

ぜひ、皆さんも若い中国人を理解して最初から毛嫌いせず、日本の、良いところ、考え方、習慣を伝え教えて、お互い仲良く暮らしていけるように願っています。

■筆者プロフィール:山口康一郎

1958年鹿児島で衣料問屋の長男に生まれる。現在、中国辺境雲南省の大理古城に居住。17歳の時に喫茶店を開業。23歳の時に法人設立。その後、年商10億まで拡大するまでに至ったが、視察旅行で感じた中国の面白さにハマり、中国移住を計画。国内事業を全て精算し、離婚までして中国に移り住む。「中国人の性格、考え方、制度」や「中国での日本人の生活や起業方法」など、日本からは見えない中国からの日本人としての視点と、日本の商売人の視点から情報を発信します。信条は「三方よし」。

■筆者プロフィール:山口 康一郎

経歴:1958年鹿児島で衣料問屋の長男に生まれる。鹿児島経済大学(現鹿児島国際大学)中退。現在、中国辺境雲南省の大理古城に居住。受験校で有名なラ・サール中学校に入学するが家庭の事情とビジネスに目覚めたことで中退。17歳の時に喫茶店を開業。23歳の時に法人設立。その後、中古電化製品販売店3店舗、携帯電話(auショップ)販売店7店舗、金券ショップ3店舗等々、年商10億まで拡大するまでに至ったが、視察旅行で感じた中国の面白さにハマり、中国移住を計画。国内事業を全て精算し、離婚までして中国に移り住む。「中国人の性格、考え方、制度」や「中国での日本人の生活や起業方法」など、日本からは見えない中国からの日本人としての視点と、日本の商売人の視点から情報を発信します。信条は「三方よし」。

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