日本のアニメとの出会いが私を変え、希望と勇気を与えてくれた―中国人学生

日本僑報社    2015年9月13日(日) 16時42分

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日本のアニメは世界中で大人気で、中国でも多くの若者が日本のアニメに夢中になっている。重慶師範大学の張[王月]さんは、自身の日本アニメとの出会いをつづっている。

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日本映画としては約3年ぶりに中国で公開された「STAND BY ME ドラえもん」が、アニメ映画として歴代最高の初日興業記録を打ち立てるなど大人気だ。日本のアニメが世界中で大人気であることは知られているが、中国でも例外ではなく、多くの若者が日本のアニメに夢中になっている。重慶師範大学の張[王月]さんは、自身の日本アニメとの出会いを次のようにつづっている。

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私にはたくさんの恋人がいる。彼らはみんな、とてもかっこ良くて勇敢な男性だ。私にはいい仲間が大勢いる。彼女らはみんな、かわいくて優しい女性だ。私には賢くて特別な友人もいる。猫先生やトトロだ。だから私の生活は心豊かで孤独ではない。

「またそんな子ども向けのものを見ているの?もうあなたは大学生よ。いつまでも子どもじゃないんだから」「そんなことないよ。だってこれ、中国のアニメとは違うの。大人でも楽しめるのよ」。今でも私は母とよく、そんな口げんかをする。私のことはどうでもいいけれど、母がアニメの悪口を言うと私は絶対にアニメの肩を持つ。しかし大学生になって、「夏目友人帳」に出会うまで、私はアニメって一体何なのかも知らなかった。このアニメを初めて見たとき、高校時代のことがありありと目に浮かんだ。

中国の大学入学試験は厳しいこと極まりない。特に私が住んでいた江蘇省はその中心地と言われ、私は灰色の高校生活を過ごすことになった。遠い都会の学校へ通うため、アパートを借り、テレビや携帯など一切無縁で、朝から夜までひたすら勉強ばかりの毎日だった。両親が離婚し、友人とも離れ、周りは知らない人ばかりで怖くて寂しかった。しかし、闇夜もいつか必ず夜明けを迎える。猫先生が夏目のそばにいてくれたように、やがて私の前に一筋の光が現れた。そう、日本のアニメとの出会いが私を変えて、希望と勇気を与えてくれたのだ。

私は大学に合格し、夏目と出会い、間もなく恋に落ちてしまった。アニメの世界で、初めて夢中になったのが夏目貴志君だった。「出会うのが遅すぎた!残念だ!」「もっともっと早く出会えれば良かったのになぁ」。私は貴志君のように妖怪を見ることはできないけれど、彼の気持ちがとてもよく理解できる。人々は夏目君のように、自分だけの心の世界があり、そこでは猫先生が見守っていてくれる。私はもう一人ではなくなった。

日本のアニメは、その作者が自分の価値観と精神世界に愛を溶け込ませて生み出したものだ。主人公たちは勇敢で優しく、チャーミングだ。それが私を引きつけている。いいえ、私だけではなく、数え切れないほど多くの中国の若者を引きつけている。優れた日本のアニメと出会ってから、私はそこに描かれた主人公のように、勇敢で優しい人間になりたいと思い始めた。心に愛があふれ、周囲と調和して、どんな困難に遭遇してもあきらめない人にあこがれる。

日本のアニメが好きな人たちはみんな、寂しがり屋で純粋な人だと思う。アニメの世界の中で、自分の心の世界とのつながりを見つけて、その中から力を求めて頑張って生きている人たちだ。その点、中国のアニメは物足りない。日本のアニメとは対照的だ。もちろん、自分の世界は自分にしか理解できないところもあるだろう。しかし、たとえ『二次元』とか『御宅』と呼ばれても、みんなは私にとって大切な仲間なのだ。だって、私は日本のアニメに恋をしてしまったのだから。(編集/北田

※本文は、第十回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「『御宅』と呼ばれても」(段躍中編、日本僑報社、2014年)より、張[王月]さん(重慶師範大学)の作品「日本のアニメに恋をして」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

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