韓国で寺院の「精進料理」が国家無形遺産に、特有の発酵・菜食メニューとして発展

Record Korea    2025年5月24日(土) 11時0分

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韓国で仏教の生命尊重に基づき各寺院で特有の発酵・菜食メニューとして発展してきた「精進料理」が国家無形遺産になった。寺院共同体の集団伝承体系を備えている点が考慮された。写真は韓国寺院の「精進料理」。

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韓国で「生き物を殺生しない」という仏教の生命尊重に基づいて各寺院で特有の発酵・菜食メニューとして発展してきた「精進料理」が国家無形遺産になった、と韓国紙が報じた。精進料理は寺院ごとにさまざまな調理法が継承されてきて、僧侶を中心に寺院共同体構成員全員が参加する集団伝承体系を備えている点が考慮された。

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中央日報によると、精進料理は仏教が韓国に伝来して以来、韓国の食文化と相互に影響を与え合いながら発展してきた。高麗時代の「東国李相国集」「曹渓真覚国師語録」「牧隠詩藁」といった文献で、菜食ギョーザや山カラシナキムチなどが寺院の食に関連していた記録からも分かる。

朝鮮時代には「黙斎日記」や「山中日記」の記録を通じて、寺院が豆腐・味噌玉麹など醤(ジャン)類や保存食の主な供給処としてその役割を果たしていたと同時に、士大夫家(官僚家)と穀物を交換するなど民間と交流してきた様子も知ることができる。

現存する精進料理は僧侶の日常的な修行食や鉢盂供養に代表される伝統的な食事法を包括する。共通しているのは仏教思想に基づき肉類や魚、五葷(ニンニク、ネギ、ニラ、ラッキョウ、ノビル)などを加えずに料理をする菜食が特徴だ。

このような精進料理は健康食を追求する現代人の献立にも深いインスピレーションを与えている。

韓国寺院の「精進料理」

ミシュランガイド ソウル&釜山(プサン)2025」で創意的な韓食ファインダイニングとしてミシュラン3つ星を獲得した「ミングルス」のオーナーシェフ、カン・ミング氏は「シェフのチョ・ヒスク氏(20年アジアベスト女性シェフ選定)と正寛(チョングァン)僧侶の白羊寺(ペクヤンサ、精進料理の大家)から教えを受けたことが料理人生のターニングポイントだった」と明らかにしていた。

国家無形遺産の指定について、国家遺産庁は「醗酵食品中心の料理方式と地域食材の活用、寺院が位置した地域の郷土性反映など他国の精進料理と差別化される上に現在も寺院内で盛んに伝えられていて、伝統的な調理法を維持しながらも創意的に再解釈するなど指定価値が認められる」と説明した。

これにより、共同体種目として認められた国家無形遺産はアリラン(15年指定)を皮切りに、相撲やキムチの漬け込み(17年指定)、醤作り(18年指定)、ユンノリ(22年指定)、ハングル書道(25年指定)など計23種目になった。

国家遺産庁は今後も「学術研究、伝承活性化プログラムなどを積極的に支援し、国家無形遺産としての価値を共有し、積極的に行政を通じて新規種目指定を拡大する」と強調した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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