<在日中国人のブログ>日本人男性を死なせた中国人の男、事件の背景にあるのは「中国人差別」ではない!

雪田    2018年5月8日(火) 19時0分

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先日、日本でショッキングなニュースが報じられた。東京の吉祥寺駅で中国人の男が口論になった65歳の日本人男性を走行中の電車に接触させ、頭部を骨折した男性が2日後に亡くなってしまったという事件。資料写真。

私が管理するSNSのグループチャットで先日、ある問題が起きた。入ったばかりのメンバーが広告を「まき散らし」、他のメンバーから指摘を受けた後も謝罪すらせず、もっともらしい言葉を並べ立てたのだ。日本でこのような行為は人々から軽蔑される「迷惑行為」とされる。

日本で暮らす一部中国人からは「日本の高齢者は自分たちを『差別』するのが大好き」との声が聞こえるが、彼らが言う差別とは、何か言われたり怒られたりする程度のことにすぎない。実際のところ、高齢者のこうした行為は日本社会に見られる世代間の伝承であり、高齢者は若者のいろいろな点が気に入らないものなのだ。中国の若者だけでなく、日本の若者にだって気に入らないことがあればそれを言葉にするし、高齢者は「自分たちには若者を指導する資格がある」と考えている。そして、「おせっかい好き」な日本の高齢者は減っているとは言え、中国よりはやはり多いのだ。

考えてみると、現在、65歳前後になっている中国人のほとんどが紅衛兵として教師に暴力を振るった過去を持っている。しっかりと学ぶことなく多くの人が若い頃の「負けん気の強さ」を持ったまま年老いていて、けんかをしてみたり、「当り屋」になってみたり、大音量の音楽をバックに広場ダンスを踊って周囲の人に迷惑をかけてみたり―。恐らく、彼らには若者をしつけようという興味も、そうした資格もないのだろう。

一方、日本の高齢者の子どもや若者への「おせっかい」は伝統的なもので、気に入らない人や出来事に教訓めいたことを言うだけでなく、地域で子どもの見守り活動や夜間パトロールに参加したり、ごみの分類をチェックしたり、盆踊りの主力として活躍してみたりといった姿も見られる。日本に長く住もうと考える人、子どもを日本で育てようと考える人ならば、こうした日本の高齢者が社会の宝であることに気付くはずだ。

恐らく、日本の高齢者の言葉は、中国で「小皇帝」として育てられた若者たちにとっては過去に聞いたことのない、厳しい言葉なのだろう。通常、「すみません」と謝れば相手の怒りは収まるし、慰めの言葉までかけてくれるかもしれない。言葉や前述の女子留学生のような視線で相手を攻撃する日本人はとても少なく、こうした行為は中国人に対する反感を高めて中国人の訪日や在日中国人の仕事、生活に悪影響を及ぼす。

中国人が尊重されるかどうか、差別されるかどうか、差別されるとしたらどのような差別を受けるのかは、母国の環境や中国人一人ひとりの海外での振る舞いやマナーと関連している。私は最も大切なのはやはり個人で、謙虚な姿勢と人を敬う気持ちがあるかどうか、日本の習慣を尊重して社会に溶け込もうと努力しているかどうかが、その人の生活の雰囲気や置かれる環境を決めていくのだと信じている。

代強容疑者は電車内で大声で話し、叱責された。彼が日頃から自分の小さな世界に閉じこもって日本社会について積極的に理解しようとしなかったかどうかに関わらず、彼の男性に対する振る舞いは野蛮だ。そして、これは「日本人による彼に対する差別」などではなく、「彼自身による自分に対する差別」に他ならないのだ。

■筆者プロフィール:雪田

中国北京市生まれ、名古屋在住。北京航空航天大学卒、宇宙開発の研究院で修士号を取得。1990年代に来日し、IT業会社に勤務。現在は語学塾を経営する傍ら、市民グループなどで中国関係の講座をしたり、フリーライターとして日本のことを中国の雑誌などで紹介している。

■筆者プロフィール:雪田

中国北京市生まれ、名古屋在住。北京航空航天大学卒、宇宙開発の研究院で修士号を取得。1990年代に来日し、IT業会社に勤務。現在は語学塾を経営する傍ら、市民グループなどで中国関係の講座をしたり、フリーライターとして日本のことを中国の雑誌などで紹介している。

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