<コラム>香港の民主と自決を主張する若者が日本人に向け熱弁、20歳にして国際的影響力も

如月隼人    2017年6月16日(金) 14時40分

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東京大学駒場キャンパスで14日、「香港返還20周年・民主のゆくえ」と題するイベントが開催された。写真は香港。

東京大学駒場キャンパスで14日、「香港返還20周年・民主のゆくえ」と題するイベントが開催された。立教大学アジア地域研究所と明治大学現代中国研究所が共催。同イベントでは、2014年の雨傘運動で重要な役割を果たした黄之鋒(Joshua WONG)と周庭(Agnes CHOW)の両氏が登壇。香港の現状について生々しい発言が続いた。

■登壇者2人は10代半ばから政治活動を開始

黄氏は1996年生まれ。香港で中国式の「愛国教育」が実施される動きが出たことを受け、2011年に「洗脳教育には反対」と主張する中高生の団体「学民思潮(スカラリズム)」を結成し、召集人を務める。黄氏によると抗議デモに12万人が参加するなど反対運動は大きな高まりを見せ、関連法案は撤回された。

14年9月には中国政府が提案する限定的な普通選挙案に反対し、授業ボイコットや集会を指導するなどで、「雨傘運動」の火付け役のひとりなった。16年4月には新政党「香港衆志(デモシスト)」を結成。デモシストは同年9月の立法会議員選挙で大学生の羅冠聡氏を擁立して当選を実現。現在は香港公開大学の学生であると同時に「デモシスト」秘書長だ。

周氏も1996年生まれ。「学民思潮」に加わりスポークスパーソンとして活躍。「香港衆志」にも結党当時から副秘書長として参加。現在は香港浸会大学に在学中だ。香港浸会大学はもとキリスト教パブテスト派(中国語で「浸会」)が1956年に設立した教育機関だった。

周氏の自己紹介時の発言が興味深かった。香港返還は1997年7月1日だった。したがって「香港が中国に返還される前の記憶はない」と説明。彼女が運動に加わったのは中学生の時で、「それまでは政治に全く関心がなかった」という。

彼女が夢中になっていたのは日本のアニメアイドルグループだ。日本のポップカルチャーをもっと深く知りたいとの理由で、日本語を独学で学んだ。14日のイベントでも通訳を介せず日本語で発言した。政治に関心を持ったのは愛国教育反対の運動をインターネットで知ったことがきっかけだった。自分と同世代の人が社会のために運動していると知った。フェイスブックで知識を得て、「愛国教育」は間違っていると自分も思った。だから運動に加わったという。

■雨傘運動の敗北で挫折感も、しかし「このままではだめだ」

2014年に発生した「雨傘運動」のきっかけは、17年に実施される香港特別区政府のトップである行政長官の選挙方式を、中国の全国人民代表大会(全人代)が決めたことだった。

それまでの方式は、職能団体や社会団体、各級議員から選出された定員1200人の選挙委員会による選挙であり、完全に民主的ではないとの批判があった。選挙委員会には親中派が多い。

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