中国の若者の間で流行している「デジタル転居」とは?

人民網日本語版    
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中国の若者の間で最近、「デジタル転居」という新しい引っ越しスタイルが流行している。

中国の若者の間で最近、「デジタル転居」という新しい引っ越しスタイルが流行している。それは、実生活で物理的に家を引っ越すことではなく、デジタル空間において、ソーシャルメディアのホームページの投稿をタイプごとに分類して削除した上で、掲載していた投稿内容を全て整理し、再び内容別に他のプラットフォームに移すことなどを指す。

このようにソーシャルメディアに対するニーズの変化から、利用するソーシャルメディアやアカウントを変更することを、若者は「デジタル転居」と呼んでいるのだ。

「転居」の理由はそれほど複雑ではない。例えば、日常的に使用しているソーシャルメディアプラットフォームは主に仕事上での交流に使用しているが、新しい趣味ができて、ホームページでコメントのやり取りや、趣味をアピールしたいといった場合がその理由となる。仕事上では、プロフェッショナルで理性的、大人びたイメージをキープしたいものの、新しい趣味においては、細かいことにとらわれず、感情的で、時にはやや幼稚なイメージとなるような場合、二つのギャップが大きくなってしまうだけでなく、まるでプライベートを覗かれているような恥ずかしさを感じるため、「デジタル転居」を選ぶことになる。

微信(WeChat)などの友人や知り合いとつながるソーシャルメディアの場合、多くの若者は社会的に求められる人物を「演じ」なければならないと感じている。例えば、職場ではプロフェッショナルな人を、子供としては言うことを聞く良い子を、友達ならばポジティブな人といった具合だ。しかし、こうした「外向きの顔」以外に、誰にでもさまざまな本当の自分があるため、いろいろな場所に「転居」し続けることで、自分らしさを表現しているのだ。例えば、微博(ウェイボー)のセカンドアカウントでは「ツッコミ大王」として、bilibili(ビリビリ)のコメント欄では「技術の達人」、網易雲音楽では「エモい詩人」といったように、ソーシャルメディアごとに自分を出すことで、今の若者は「デジタル人格」を作り上げている。

では若者はなぜ手間暇をかけてまで「デジタル転居」を選び、インターネット上で本当の自分をさらけ出すことを望まないのだろうか?

若者は個人の「デジタル境界線」を引くことで、自らのソーシャルメディアを理性的に管理しようとしているのではないだろうか。従来の「人脈社会」は「全面的な交流」を大切にする。一方、デジタル時代の若者は「層別化した付き合い」を好む。それは玉ねぎのようで、1枚ごとの層になっており、付き合いが深まるほど、仲が良くなるものの、どの層にも「境界」が設けられている。若者は多くの人が集まるプラットフォームのにぎやかさよりも、小さなグループにおける自分の居場所をより大切にしている。「家」がどれほど大きいかではなく、近所の人と話が合うかを重視しているのだ。なぜなら、そこでは表面的に取り繕ったり、媚びたりする必要がなく、本当の自分でいられる場所だからだ。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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