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29日、独ドイチェ・ヴェレは、中国が外国の若い科学技術人材をターゲットとした新たな「Kビザ」を設けると報じた。
2025年9月29日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国が外国の若い科学技術人材をターゲットとした新たな「Kビザ」を設けると報じた。
記事は、国内の優秀なエンジニアに事欠かない中国が新たに「Kビザ」を設け、10月1日より実施することで、外国の投資や人材を歓迎する国のイメージを形成し、米国との関税戦争によって暗雲が立ち込める中国経済の好転を目指そうとしていると紹介。米アイオワ州の移民弁護士であるメディチ氏が「ハードルを上げる米国に対し、中国は下げているという強い象徴的意味がある」と分析したことを伝えた。
その上で、8月に発表された「Kビザ」について、科学・技術・工学・数学(STEM)分野の若き外国人卒業生を対象としており、就職先のインビテーションがなくても入国、居住、そして就労が許可される点が最大の特徴であり、非常に大きな魅力であると解説。米国がハイテク人材向けビザ「H-1B」の発給に当たり、企業に年間10万ドルの支払いを義務付けるなど厳格化している状況とは対照的であり、専門家からは「絶好のタイミングでKビザを導入した」との声も出ているとした。
そして、昨年に米国H-1Bビザ取得者の71%を占めたインドの学生からも「柔軟で簡単なビザを求めるインドのSTEM専門家にとって、これは非常に魅力的な選択肢だ」という歓迎の声が聞かれたと紹介している。
記事は一方で、Kビザには多くの不透明な点もあると指摘。申請者の年齢、学歴、職歴に関する要件が曖昧であるほか、金銭的なインセンティブ、就職支援、永住権や家族の帯同に関する詳細な情報も不足しているとした。
また、ほとんどの中国のハイテク企業で中国語が必須であるという「言語の壁」や、中国を米国の代替地と考えるインド人学生にとっては地政学的な問題も心理的障害になりうること、さらに中国が外国人人材よりも海外帰りの中国人や華人華僑を重んじる傾向にあり、地方政府も国内人材の呼び込みに重点を置いていることなどを問題点、疑問点として挙げた。
記事は、中国が今後「移民大国」になるようなことは考えにくく、「Kビザ」の効果は限定される可能性があるとする一方で、「たとえごく一部でも、世界の優秀な頭脳を引きつけることができれば、米中間のハイテク覇権争いにおいて、中国の競争力を大きく高める戦略的な一手になりうる」という専門家の分析を紹介した。(編集・翻訳/川尻)
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