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中国農業科学院は、同院の農業ゲノム研究所作物群学ビッグデータと応用革新チームが小麦の病害抵抗性と早熟性の「二重効果スイッチ」を発見したと発表しました。写真は内蒙古自治区フルンボイル市の小麦畑。
中国農業科学院はこのほど、同院の農業ゲノム研究所作物群学ビッグデータと応用革新チームが小麦の病害抵抗性と早熟性の「二重効果スイッチ」を発見したと発表しました。この成果は小麦の赤カビ病抵抗性の改良や病害抵抗性がある新品種の育成に重要な遺伝子リソースを提供し、関連する研究論文は国際学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載されました。
論文の責任著者で、中国農業科学院深圳農業ゲノム研究所の張翠軍研究員によると、小麦赤カビ病はフザリウム・グラミネアラム菌により引き起こされる壊滅的な病害で、小麦生産に深刻な被害を及ぼし、小麦の収量を大幅に低下させるだけでなく、小麦の粒の品質にも影響を及ぼします。さらに、この病害は人間や家畜に深刻な脅威をもたらす多種の真菌毒素(マイコトキシン)を生成するとのことです。
今回の研究で、研究チームは重要な遺伝子「TaFAH」を同定し、同遺伝子はフザリウム・グラミネアラム菌の感染を著しく抑制できることを確認しました。チームは、小麦におけるTaFAHの発現レベルを人工的に上昇させると、小麦の病害抵抗性が大幅に強化されると同時に、フザリウム・グラミネアラム菌の菌糸バイオマスとマイコトキシンのデオキシニバレノール(DON)含有量が減少することを発見しました。
張研究員は、「TaFAHの作用は小麦の病害抵抗性向上に限定されない。対照群と比較して、TaFAH過剰発現株系では穂出し時期が約10日早まったことが研究で分かった。この発見は、TaFAHが小麦の病害抵抗性と早熟性を同時に制御する『二重効果スイッチ』であることを示している」と紹介しました。これらの研究は病害抵抗性が強く、生育周期の短い小麦品種の育成に向け、新たな視点を提供しています。(提供/CRI)
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2025/9/25
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