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ファーウェイはこのほど、PyTorch財団にプレミア会員として迎え入れられた。PyTorchとはAIの開発に欠かせない機械学習ライブラリーの一つであり、開発したのは旧フェイスブックのチームだ。
中国の通信機器大手メーカーの華為技術(ファーウェイ)はこのほど、PyTorch(パイトーチ)財団にプレミア会員として迎え入れられた。PyTorchとは人工知能(AI)の開発に欠かせない機械学習ライブラリーの一つであり、同分野で世界的に見ても極めて重要な位置を占める。PyTorchを開発したのはフェイスブック(現、メタ)のチームで、PyTorch財団は現在はリナックス財団の傘下だ。PyTorchはまた、オープンソースでもある。PyTorch財団のプレミア会員は現在のところ、ファーウェイを含めて世界で10社だけだ。
ファーウェイはAI分野に本格的に取り組み始めたのは4年前ごろで、サーバーCPUの「鯤鵬(クンポン)」やAIチップの「昇騰(アセンド)」などを開発し、改良してきた。
ファーウェイの内部関係者は中国メディアの21世紀経済報道に対して、クンポンとアセンドの状況の違いを説明したという。まずクンポンでは、開発に当たって企業群による「共生システム」を構築した。大きな狙いは、他者の既存システムと相性がよい、すなわちクンポンに移行する際のコストを低減することだった。そのためクンポンの採用事例は増加した。
一方のアセンドでは、「自力更生」を目指した。しかし開発の難度は高く、さらに顧客にアセンドに移行してもらう上での支障が出た。顧客の多くはすでにPyTorchベースでの事業の構築を進めていた。だからこそファーウェイにとってPyTorch側とのより深い提携ができたことは、大きな意味があるという。
また、PyTorchは機械学習ライブラリーとして成熟度が高いので、AI分野で急速に増大している学習ニーズにもよりよく対応できる。PyTorchはまた、初めて触れた開発者にとっても使いやすく、学習や使用のコストが低いという長所もあるなどで、利用が広がりつつあるという。
PyTorch側の新たな発表では、PyTorch 2.1上でアセンドベースのモデル開発が可能になった。同機能の追加は、ファーウェイ側が主導して、PyTorchコミュニティーと共同で実行したという。このことで、AI開発者側は既存のフレームコードを修正することなく、PyTorchフレームワークと接合できるようになった。そのため、移行のために必要だった数週間の作業が不要になったという。
ファーウェイのしばらく前の発表によると、アセンドは1100社以上のパートナー企業を獲得した。また、25都市がアセンドベースのAIセンターの構築を手掛けており、うち14都市ではすでに稼働しているという。アセンドはまた、企業向けでも中国国内の大型AIモデルの半数近くをカバーしている。アセンドベースのAIモデル構築の「敷居」が下がったことで、アセンドはさらに勢いづく可能性が出てきた。
ファーウェイの胡厚崑輪番会長は今年になり、同社はAIに関連して現状で、二つの方面で注力していると述べた。一つは、強力な計算力の基盤を構築して、中国のAI産業の発展を支えることで、もう一つはAIが汎用大型モデルから各業界向けモデルまで、あらゆる産業や科学研究に奉仕する状況を出現させることだ。
ファーウェイは4年前からAIの計算力の基盤を構築する戦略を打ち出していたが、現在は生成式AIの利用が本格化しており、同時にアセンドの計算力システムが爆発的な勢いで加速している。ファーウェイは新たな「AIの進化の波」の中で、主導的地位をさらに獲得する可能性が高まっている。(翻訳・編集/如月隼人)
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