「ダブル11」後の宅配段ボールやビニールテープ、充填材はどこに行く?―中国

人民網日本語版    
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11月11日のネット通販イベント「ダブル11」が終わり、宅配商品も続々と各家庭に届けられている。

11月11日のネット通販イベント「ダブル11」が終わり、宅配商品も続々と各家庭に届けられている。うれしさとワクワクした気持ちで幾重にも包まれた商品のパッケージを開ける時、これらの宅配パッケージのごみは、最終的にどこに行くのだろうかと心配する人も多いかもしれない。新華社が伝えた。

■宅配パッケージごみの処理は依然難題

アリババ(阿里巴巴)グループ傘下の菜烏網絡科技有限公司の最新統計データによると、「ダブル11」当日、天猫(Tmall)の注文件数だけでも12億9200万件に達した。中国の宅配取扱件数はこの数年で急成長を遂げ、2012年時点の56億9000万件から、2018年には500億件を上回るまでとなった。専門家は、この数字は2019年には600億件以上に達すると予想している。急増する宅配件数の背後には、宅配パッケージごみが爆発的に増えているという状況がある。

宅配パッケージごみは、主に、段ボール箱とビニール袋となる。中華環境保護連合会など複数の機関がこのほど共同で発表した中国宅配パッケージ廃棄物に関する報告によると、関連業者の推算とサンプリング重量測定を通じて、段ボール箱類の包装廃棄物が再利用されている割合は5%にも届かず、約80%の段ボール箱が回収されているという事実が判明した。

専門家は、環境面から見て、段ボール箱は回収にまわさず再利用すべきだと提案している。回収された場合、段ボール箱の処理プロセスは長くなってしまう上、段ボール箱を粉砕して紙パルプを再生産する過程で、大量の炭素も排出される。プラスチック類の宅配パッケージごみは、主に、プラスチック製シート、充填材、透明ビニールテープとなる。これらのプラスチック・ビニール製品は、価格は安いが、回収しづらく、ほとんどが生活ごみとして処理され、燃やされるか埋められることになる。

このほか、中華環境保護連合会国際協力部の倪垚副部長は、「一部の宅配パッケージに使用されているプラスチック製シートは、品質に問題があり、その種の材料に直接接触する消費者や宅配員にも健康上のマイナス影響が及ぶ恐れがある」との見方を示している。

実際のところ、宅配業界の「グリーン化」に社会からの関心が集まるのに伴い、パッケージ・配送・回収など各プロセスでいくつかの対応策がすでに講じられている。たとえば、宅配企業は、配送センターへの回収ボックス設置、電子伝票の普及、「分解可能」な包装用材料の利用などの措置を実施している。

しかし具体的な実施プロセスには一定の困難が伴っており、宅配企業、電子商取引プラットフォームとショップ、消費者など各方面が共同で取り組む必要がある。業界関係者は、宅配業界におけるこれらの「グリーン化」問題に対応するため、業界基準をより細分化すると同時に、市場化という方法で宅配の新業態を模索する必要があると提言している。

倪副部長は、「現在のところ、国内では過剰包装を減らし、回収・再利用率を高めることに特化した政策・法規はいずれも提唱だけにとどまっており、強制力や奨励を伴う政策に欠け、それが電子商取引プラットフォームや宅配企業が包装グリーン化革新に取り組むための動力不足を引き起こしている」と指摘した。

清華大学循環経済産業研究センターの温宗国(ウェン・ゾングオ)主任は、「再利用に回せないごみではなく、処理のやり方を間違えた資源があるだけだ。包装材料の業界基準を明確にすることで、収取・処理の難度やコストを効果的に引き下げることが可能だ」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KM)

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