【週末美術館】女性の曼荼羅世界

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若き女流画家のユエン・クンは、自身の中に眠る「女性性」を創作上の主題とし、原動力としている。自由で本能的な「原始の女性像」を表現せんと、その思いを鳥や花といったモチーフに託している。サイケデリックな作風の中には、繊細な感性も見え隠れする。

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まだ学生の身分であるという若き女流画家の袁●(ユエン・クン=●は方方の下に土)は、自身の中に眠る「女性性」を創作上の主題とし、原動力としている。「原始の女性」あるいは「男性優位によって抑圧される女性」が、作品の2大テーマだ。原始の女性とは、現代の男性社会において定義されるような柔和さや受動性といった、いわゆる「女性らしさ」とは無縁であり、自由で本能的な存在を指している。

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彼女の作品の多くに登場する「鳥」はまさに、そんな女性のプリミティブな本質を体現するモチーフである。いかなる制約も受けず、意のままに進む生き方。現代においても、そんな女性の本質はいつでも花開くはず。袁はそんな夢を抱きながら、理想の女性像を演じねばならない多くの女性が、自身の作品を通じて、失われた本来の自分を取り戻すことを願っている。

作中の鳥は、鳥とも獣とも人ともおぼつかないような姿で描かれる。ある時は女性の本性を現し、ある時は少女が女性へと成長する過程で味わう苦痛、ある時は社会への適応を迫られる女性のやるせなさを描き出す。サイケデリックな作風の中に繊細な感性が見え隠れする作品は、曼荼羅のような宗教性すら帯びて見える。(文/山上仁奈)

●ユエン・クン

中国の若手女流画家。1982年生まれ、河北省邯鄲市出身。2005年、中央美術学院卒業。2007年に同大大学院・壁画学部に進学、現在に至る。代表作に「花妖」「晶瑩世界」「秘密の花園」など。

写真提供:匯泰国際文化発展有限公司(中国・天津

※週末美術館では、中華圏のアーティストを中心に日本や世界各地の写真作品、美術作品、書道作品など様々なジャンルの作品をご紹介していきます。



   

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