中国の文芸誌が選ぶ10大流行語、日本発「断捨離」がランクイン―香港紙

Record China    2014年12月19日(金) 13時49分

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17日、中国の月刊文芸誌「咬文爵字」は、このほど2014年の流行語ランキングを発表した。

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2014年12月17日、中国の月刊文芸誌「咬文爵字」は、このほど2014年の流行語ランキングを発表した。言語・文学専門家の●銘鑑(ハオ・ミンジエン、●=赤におおざと)氏はインタビューに応じ、「年末年始の一年を振り返った流行語ランキングは他にもたくさんあるが、良いランキングとは、革新性が重要であるほか、言語的価値も需要だ」と説明した。文匯報が伝えた。

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1.頂層設計(トップダウンデザイン)

2014年ランキングの1位となったのは、「頂層設計」だ。「頂層設計」は、本来はシステム工学の概念で、意味としては、建設工事において、最上階から各階層、各要素、各方面まで、統一性を持った計画を行い、高い効率で、素早く目標を達成することを指す。後に、政治や経済、軍事など各分野で幅広く使用されるようになった。政治的な名詞で使われる場合には、「頂層設計」は国家理念・構造を再構築する戦略的政策立案や管理を指す。重要なのは全体性、全面性、長期性、重大性、あらゆる局面での目標設定であり、政府が国内外の政策を統一的に統括することや発展的戦略を制定する際の重要な考え方を指す。

2.新常態(ニューノーマル)

ランキング2位には、「新常態」がランクインした。このワードは、英語に由来している。本来は、2007年世界金融危機発生後の先進諸国の経済推進力の弱体化を指したが、後に「1低、2高」、すなわち「低い成長率、高い失業率、高額な債務」と要約する人も現れた。中国経済は、今まさに高度な形態に向かっており、分業の複雑化、より合理的な構造段階への進化など、経済発展は、「新常態」(ニューノーマル)に入った。また、成長率は高速から中高速に転換し、経済発展方式は規模と速度を重視する粗放的成長から、質と効率を重視する集約的成長へ、経済構造は成長・能力拡大から、ストック調整、質の向上と成長の共存へと変換し、経済発展の原動力は伝統的な成長点から新たな成長点へと転換している。「新常態」のワードが流行した今、すでに経済分野の言葉には留まっておらず、さまざまな状況で使われている。

3.打虎拍蠅(トラを退治し、ハエを叩く)

3位にランクインした「打虎拍蠅」は、「老虎蒼蠅一起打(トラもハエも同時にたたく)」の略だ。トラとは、汚職高級官僚を示し、ハエは、汚職下級官僚を指す。「打虎拍蠅」は、共産党が打ち出した反汚職スローガンで、「官吏の腐敗は大物だろうと、小物だろうと同様に叩く 」という原則の立場と政策を表したもので、イメージが浮かびやすく、印象に残る。

4.断崖式(急行直下型)

「断崖式」のワードは、大きく急降下する状態を指し、さまざまな状況で使用される。たとえば、反腐敗闘争では、汚職高級官僚の「断崖式」降級や、株式市場では、株価の「断崖式」暴落、不動産ではマンション価格の「断崖式」下落のように使用される。また、気温が急に下がった場合も、気温の「断崖式」低下などと使う。

5.▲◆的(YOU KNOW、▲=弥の弓が人、◆=りっしんべんに董)

「▲◆的」は、本来はインターネット用語だった。2004年3月2日、全国政治協商委員会の報道官が中国の大物官僚、周永康(ジョウ・ヨンカン)の汚職疑惑に対して質問された際に、「どんな人であろうと、どんなに地位が高い人であろうと、党紀と国の法規を犯せば、厳格に処罰されるべきだ。このように答えるほかない。▲◆的(あなたもわかるでしょう)」と答えたところ、この「▲◆的」が一夜にして流行語となった。主に2つの状況下で使用される。ひとつは、多くの人が知っているので、多くを語る必要がない場合。もうひとつは、少し踏み込んだ、センシティブな話題の際に、あまり多くを語りたくない場合、あるいは言えない、言うと都合が悪い場合に使われる。

6.断舎離(断捨離)

「断舎離」は、クラター(ガラクタ)・コンサルタントを名乗るやましたひでこ氏の著書「断捨離」から来たワードだ。やました氏が提唱しているのは、いらないものを捨てることで、自分の部屋を片付け、広くて気持ちのいい空間の中で生活し、ストレスを緩め、心を解放させることだ。書籍がベストセラーになるにつれ、「断捨離」が一種の新しいファッションとなり、大ブームを引き起こした。断捨離の意味は「不必要なものをなくし、いらないものを捨て、物への執着を手放す」こと。断捨離は、すでに現代生活の理念となっている。

7.失聯(消息を絶つ)

「失聯」は、「消息を絶つ」の意味。今年、3月8日、239人の乗客を乗せたマレーシア航空MH370(ボーイング777-200型機)は、航空管制塔との交信が途絶えたまま、今も消息不明のままとなっている。ニュースで、何度も繰り返された「失去聯系」(消息を絶つ)という言葉が略されて、新しく「失聯」というワードが生み出された。

8.神器

中国の古代神話に記載されている「十大神器」に由来する。例えば、伝説上の盤古と呼ばれる巨人が天と地を開く際に使った「開天斧」と呼ばれる「神器」や、中国の神話に登場する女神が水の神が破いた天を直すために使った「補天石」という「神器」など。古代の人は宇宙における、理解できない、あるいは説明ができないさまざまな現象を、「神」の力と考えた。現在は、新しい機器やハイテク技術機器を「神器」と呼び、その独特で創造性のある機能を強調している。

9.高大上 (高級な、堂々とした、上等な)

「高大上」は、「高端大気上[木当]次」(高級な、堂々とした、上等な)の略。中国のテレビドラマ「武林外伝」や映画「甲方乙方」で使用された言葉「高端大気上当次」の7つの文字が、後に「高大上」の3つの文字に略された。2014年、「高大上」の使用率や知名度が大幅にアップし、人々がこぞって使う一大流行語となった。さまざまな状況で使用されるが、時には皮肉としても使われる。

10.萌萌[口達] (可愛いすぎる)

「萌萌[口達]」は、「萌萌的」のことで由来はネット流行語だ。今では一般の人々が広く使う流行語となっている。「萌」は可愛いという意味だが、2回繰り返すことで、非常に可愛らしいという意味になる。「萌萌[口達]」の3つの文字が並ぶことで、可愛すぎることを指し、人や物事、物に対しても同様に使う。

このほかにも、「小鮮肉」(若くて新鮮)や「暖男」(暖かな男性)、「任性」(わがまま)といった、今年非常に話題になった流行語もあるが、いずれもランキングには入らなかった。これについて、同編集部は、「言葉は社会生活を反映したものだが、流行は唯一の評価基準ではなく、例えば、「有銭、任性」「約[口馬]」などの言葉は、言語の革新性が足りないと判断した。基本的に言葉の本来の意味を踏襲し、革新的な言語生活への貢献が見られない流行語は、ランキングには入っていない」と説明した。(提供/人民網日本語版・翻訳/MZ・編集/武藤)

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