中国の専門家が批判、「人権問題、米国はまず自らを正せ」―中国メディア

Record China    2014年12月14日(日) 15時26分

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12日、米上院情報特別委員会はこのほど、米同時多発テロ後に米中央情報局(CIA)がテロ容疑者に対して行った過酷な尋問手段に関する報告書を公表した。写真は自由の女神。

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2014年12月12日、米上院情報特別委員会は今月9日、米同時多発テロ後に米中央情報局(CIA)がテロ容疑者に対して行った過酷な尋問手段に関する報告書を公表した。(文:王義[木危](ワン・イーウェイ)中国人民大学国際事務研究所所長、国際関係学院教授。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

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報告書は、CIAは議会と国民に活動を説明する際に真実の状況を隠蔽しており、被収容者に対する尋問過程は「ずっと残酷だった」が、米国民の生命を守り、テロ事件の発生を阻止するとの期待した効果は拷問では得られなかったと指摘した。報告書の全文は6700ページで、今なお秘密とされている。9日公表された500ページは報告書の要約と結論部分に過ぎない。5年間の時間と4000万ドル(約47億4000万円)の費用を費やした同報告書は水責め、長時間単独幽閉、頭部を壁に打ちつける、残忍な脅しといったCIAの用いた尋問手段について、法律の認める範囲を大きく超えていると指摘。CIAによる被収容者に対する虐待の実際の状況は議会と国民に説明したものよりもずっと残酷だったとの認識を示した。

報告書の公表には政党間の争いという背景があり、CIAの行為も米国の全てを代表するものではないが、それでも人種差別、人権の虚偽という米国の真実の状況を反映している。オバマ大統領は報告書の公表後、「米同時多発テロ後にCIAが取ったいくつかの行動は米国の価値観に反するものだ。被収容者への虐待行為は米国の価値観に反するのみならず、米国がさらに大きな範囲でテロとの戦いを行い、米国の安全上の利益を守るうえでの助けにもならない。そればかりか、こうした虐待行為は世界における米国の地位を極めて大きく損ない、同盟国やパートナーと自らの利益を図ることもさらに困難にした」との声明を出した。

ロンドンの中東関連新聞は「虐待スキャンダルは米国のいわゆる人権に対する皮肉だ。米国は常に人権を口にするが、その情報機関が拘禁する囚人に人権などなく、多くの被拘禁者は様々な虐待に苦しめられた。身の毛のよだつ拷問自体が、米国が人権を尊重せず、人権を冒涜していることをさらけ出している」と論じた。

米政府に人に知られたくない問題があるのは今に始まったことではない。CIAの行為も米国の行為を代表するものとは言い難いが、報告書が明らかにしたものは、表面的には国の安全と個人の自由との矛盾だが、実は「世界の人権よりも米国の利益が重要」という米国と世界との関係の矛盾だ。欧州人はフランス革命を振り返り「自由よ、汝の名の下でいかに多くの罪が犯されたことか」と言ったが、現在は「安全よ、汝の名の下でいかに多くの罪が犯されたことか」と言えよう。

米国の行為はアメリカ例外主義の具体化だ。外交政策において米国の「例外主義」は単なる神話ではなく、危険な神話だ。それは(1)米国政府は道徳上、政治上、他国の政府より優れている(2)米国は世界の平和と繁栄にとって不可欠な存在だ(3)米国の国益のため、他国は米国の政策に歩調を合わせなければならない(4)どの国であれそれを拒むのなら、米国には道徳上、経済制裁や武力干渉を行う権利があるという4つの間違った論点に基づいているからだ。

こうしたアメリカ例外主義は米国のソフトパワーをさらに損ない、人権の擁護者としての米国の役割の説得力を失わせた。

虐待行為の対象は多くが中東のイスラム教徒であり、「ポリティカル・コレクトネス」によって覆い隠されているが、実は人種差別的色彩を帯びている。米国が中国の民族政策と文化革新を度々とがめるのは、実は米国の伝統的政治文化の継承が難しい気まずさを反映している。

どう言おうとも、米国の被収容者虐待報告は「米国の言葉にだまされるな」と国際社会に注意を促している。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/武藤)

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