高倉健さんの死を機に、日中友好を今一度考える―中国紙

Record China    2014年11月30日(日) 14時21分

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27日、日本映画界のスターとして活躍した俳優・高倉健さんが今月10日に死去。中国外交部の報道官は18日の会見で功績をたたえた。写真は中国報道。

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2014年11月27日、国際金融報によると、日本映画界のスターとして活躍した俳優・高倉健さんが今月10日に死去し、中国外交部の洪磊(ホン・レイ)報道官は18日の会見で、「高倉健さんは中国国民にもよく知られた日本の『芸術家』。両国の文化交流を促進するうえで重要な貢献をした。彼の死去に対して哀悼の意を表したい」と、高倉さんの功績をたたえた。社交辞令であるかもしれないが、ここ数年日中関係が冷え込んでいることを考えると、心温まる一幕だった。

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高倉健さんが亡くなり、精神的財産を失った。しかし、「失った財産」と言えば、数字で表すことのできる中国と日本の間の物質的損失も膨大だ。2014年1−10期、日本の対中国直接投資額は、42.9%減少した。

国と国がどのような交流をするかは、最終的には利益の有無にかかっている。では、どれほどの利益があれば、日中の友好関係が促進されるのだろう?日中はそのラインをどのように設定するべきなのだろう?このような視点から見ると、違った日中関係が見えてくる。

▼関係悪化が経済に大きな影響

中国商務部が発表している最新のデータによると、今年1月から10月、日本の対中国直接投資額は36億9000万ドル(約4400億円)。過去最高となった12年の74億ドル(約8700億円)と比べると大幅に減少している。それに伴い、両国の貿易も明らかに減少している。日本貿易振興機構(ジェトロ)が発表しているデータによると、2012年以来、日中間の貿易は2年連続で減少し、うち2013年は前年比6.5%減だった。

復旦大学上海)経済学院の孫立堅(スン・リージエン)副院長は、「世界第二の経済大国である中国は、日本の経済に対する大きな影響力を持っている。特に、日本から中国への輸出は、日本経済に大きな影響を与えている。また、中国経済が減速している現在、日中間の貿易が振るわないことで、泣きっ面にハチ状態となっている。両国の関係が悪化したことが、両国の経済にどれほどの影響を与えたか、数字で表すのは難しいが、共倒れであるのは明らか」と指摘している。

▼高倉さんの死を「踏み台」に

高倉さんが亡くなり、日中両国は元々親しく交流し、友好関係が保たれていた期間は、いがみ合っている期間よりもずっと長いことに、再び気付かされた。これも、日中友好の精神の利益のひとつだ。

今月北京で開催されたアジア太平洋経済協力(APEC)非公式首脳会議で、安倍晋三首相と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が3年ぶりの日中首脳会談を実現させ、両国の関係改善を、各界が望んでいる。しかし、日中関係が本当に改善し友好な関係が築かれるためには、たくさんの課題が残っている。

今、日中関係が完全に冷え込んでいる原因は、歴史、領土問題などの点で、日中の間にあった共通の認識が崩れたからだ。その認識は、1972年に日中国交正常化が実現して以来、両国関係の基礎となってきた。

政治上の日中関係がなかなか前に進まないのとは対照的に、民間には有効な関係を築く空間と基礎がたくさんある。最近、高倉さんが亡くなったことで、両国が和解するための基礎が見えたのではないだろうか。

▼友好な関係で多大な利益

中国には日系企業が2万3000社あり、日本には200万人の中国人が旅行に行っている。これは、日中友好がもたらす一番分かりやすい「利益」だ。日中が自由貿易協定(FTA)に調印することができれば、この利益は倍増することになるだろう。

日中の政治上の共通認識や信頼関係が、友好な両国関係の基礎であり、文化の分野における往来と交流が長期に渡る影響を及ぼすというなら、日中間の経済上の利益は、最も実際的で、最も大きな「原動力」となるだろう。(提供/人民網日本語版・翻訳/KN・編集/武藤)

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