アジア研究専門家が指摘、「ほとんどの日本人は平和を愛している」―中国紙

Record China    2014年11月29日(土) 16時33分

拡大

26日、テンプル大学ジャパンのジェフリー・キングストン教授はこのほど、「アジア太平洋ジャーナル」に見解を寄せた。写真は広島平和記念公園の千羽鶴。

(1 / 2 枚)

2014年11月26日、テンプル大学ジャパンのジェフリー・キングストン教授はこのほど、「アジア太平洋ジャーナル」(APJ)に、「多くの日本人と、日本に長い間注目してきたオブザーバーは、日本のひとりよがりなナショナリズムの復活に失望している。安倍首相の後押しを受けた右翼の過激派は今、日本の民主主義、国民の自由および日本と隣国との関係に脅威をもたらしている」との見解を寄せた。ここ数年、日本国内では右傾化が進んでおり、右翼勢力が頻繁に平和憲法を脅かし、侵略の歴史を否定しようとしている。一方で、平和を愛し、戦争に反対する日本人は大きな圧力を受け、孤立している。南京事件を扱った映画や、反戦がテーマの映画・番組の制作者や出演者はいずれも排斥され、親中派の学者がメディアで意見を発表することすら困難になっている。「安倍氏が発動しようとしている文化戦争は、日本の国家利益を損なうばかりか、東アジアの平和にも危害を及ぼす」と指摘する専門家がいる。環球時報が伝えた。

その他の写真

▼反対する者は排斥される

日本人にも歴史の改ざんに反対する人は多く、記者や学者、企業家、元日本兵、官僚などが含まれるが、右翼のナショナリズムの影響力が増すに従い、これらの人々は徐々に排斥されるようになった。

日本の大手新聞社の政治的立場と報道からも、全体的な右傾化傾向が見て取れる。愛知大学の中国研究者・加々美光行氏は「今、親中的な意見はますます歓迎されなくなっている。メディアが謝罪や反戦論を公に発表することは困難になりつつある。私達が取材を受ける場合も、受け入れがたい左翼的主張の部分は修正、もしくは削除するよう要求されることがある。しかし、一部のメディアは私達の意見を受け入れ、ありのまま発表してくれる」と語る。

映画界も同様だ。報道によると、中国で有名な俳優・矢野浩二氏は日本で「裏切り者」と呼ばれている。アニメ界の巨匠・宮崎駿監督も、2013年の「風立ちぬ」が右翼から批判を浴び、「反日」のレッテルを貼られた。

▼一般人は平和を望んでいる

日本の特定非営利活動法人「言論NPO」が少し前に発表した世論調査によると、中国に対して良くない印象をもっていると答えた日本人は9割以上に達した。しかし、日本を訪れた中国人観光客のほとんどが、日本で「敵意」を感じたことはないという。日本メディアの報道によると、今年1-10月、訪日中国人観光客は80%増となった。

日本で暮らしたことのある人の多くは、日本の若者は政治に関心を持っていないと考える。キングストン教授は「日本の若者が特に右傾化しているとは思わない。彼らは政治に関心が無い。興味が無い理由は、日本の政治家に魅力が無いためだ」と語る。

ある中国人留学生は「日本人はとても友好的で、普通は政治の話はしない」と語る。日本で就職しようと考えているため、日中関係の緊張が続いて欲しくはないという。

しかし、日中関係の緊張は争えない事実だ。多くの学者は「その根源は、日本でますます強まるタカ派の政策」と指摘する。

加々美氏は環球時報の記者に対し、「日本の右傾化の大きな原因は、中国の政策に対する日本人の理解が不十分であること。中国の『強国の夢』、『強軍の夢』という言葉に、多くの日本人は恐れを抱いている。右翼はこうした国民感情を利用して、自衛隊強化の目的を実現しようとしている。安倍氏は日本で大人気だが、それは安倍氏自身に魅力があるためであり、その右翼的思想が人気なわけではない。また、昭恵夫人も人気があるのも同じ理由だ」と語った。(提供/人民網日本語版・翻訳/SN・編集/武藤)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携