日本で横行する中国漁船のサンゴ密漁、背景に東日本大震災―華字紙

Record China    2014年11月14日(金) 6時32分

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10日、中国漁船による赤サンゴの密漁が横行している。その背景には古くから赤サンゴが珍重されてきた歴史や東日本大震災の影響がある。写真は台湾の赤サンゴ芸術品展覧館。

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2014年11月10日、日本華字紙・中文導報によると、小笠原諸島周辺の海域で中国漁船による赤サンゴの密漁が横行しているが、その背景には古くから赤サンゴが珍重されてきた歴史や東日本大震災の影響があるという。

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「珊瑚」は、中国語で「シャンフー」と読み、「福」(フー)に通じることから吉祥の象徴とされてきた。赤サンゴは中国では「紅珊瑚」と呼ばれ、清朝では高級貴族の冠に装飾されたほか、仏教七宝の1つにも数えられた過去がある。近年でも装飾品としての人気は高く、価格は高騰する一方となっている。また、こうした歴史的に珍重されてきたことだけでなく、東日本大震災の影響で赤サンゴの流通が減少し、中国市場で品不足となっていることも背景にある。

赤サンゴは台湾北東部から小笠原諸島周辺の太平洋の一部海域にしか生息していない。地震の影響でサンゴが大量に死滅した事例は過去にあったものの、東日本大震災では高品質サンゴの産地である高知に直接的な被害は出ていない。しかし、水揚げや輸送、加工、販売などには影響が生じており、それらが価格の高騰を招いていると専門家は指摘している。

震災前の2010年の時点では、赤サンゴのグラム当たりの価格は、「AKA級」(深紅)が3000元(約5万6000円)、「MOMO級」(桃色)は500〜600元(約9400〜1万1300円)程度、「鴿血紅」と呼ばれる最高級品は1万元(約18万8000円)ほどだったが、2011年の東日本大震災を境に価格が60〜80%跳ね上がったと業界関係者は話している。

なお、赤サンゴは中国では1988年から「国家一級重点保護動物」に指定されており、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」にも記載されていることから、赤サンゴを密漁すると法的に罰せられることになる。(翻訳・編集/岡田)

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