日本と韓国不参加のアジアインフラ投資銀行、中国メディアが批判「米国の煩悶を浮き彫りにした」

Record China    2014年11月4日(火) 12時12分

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3日、アジア21カ国の代表が先日北京でアジアインフラ投資銀行(AIIB)設立計画の合意書に署名した。国際世論はどの国が署名したのかを注視するとともに、本来署名するはずでありながら署名しなかった国があることにも注意を払っている。写真は人民元。

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2014年11月3日、アジア21カ国の代表が先日北京でアジアインフラ投資銀行(AIIB)設立計画の合意書に署名した。国際世論はどの国が署名したのかを注視するとともに、本来署名するはずでありながら署名しなかった国があることにも注意を払っている。(文:賈秀東(ジア・シウドン)特約論説員、中国国際問題研究院特別招聘研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

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韓国、オーストラリア、日本は署名式に姿を見せなかった。一方、ASEAN10カ国で欠席したのはインドネシアだけだった。米英日韓豪メディアの報道を見ると、米国は一部の国のAIIB参加を阻止するため、陰で、しかし少なからぬ働きかけをした。陰で小細工をしたことを米政府が公に認めることはないだろう。

火のない所に煙は立たない。米側は表面上は「AIIB設立の考えに歓迎の意を表する」としているが、数々の兆候が示すように、実際には中国のイニシアティブとリーダーシップによるAIIB設立を甚だ面白く思っていない。米側はAIIBについて「ガバナンスや透明性の国際基準を満たすよう強く促す」と公言している。これは、AIIBはガバナンスと透明性の国際基準を満たしていないとする遠回しな発言だ。だがこれは米国がAIIBに反対する本当の理由ではないだろう。米側が真に懸念しているのは、AIIBが米国の追い求めているものを横取りし、世界銀行(WB)やアジア開発銀行(ADB)の地位を含む米国主導のアジア秩序に打撃を与えることだ。

AIIB設立の主たる目的は、アジア太平洋地域におけるインフラ融資の大きな不足を補うことであり、WBやADBなど既存の国際制度と競争することでも、ましてや米国を閉め出すことでもない。「豊かになるには、まず道をつくる必要がある」。これは中国の庶民の経験に基づく言葉だ。アジアのインフラ改善は投資・貿易環境の改善、住民生活の向上、社会消費の増加を意味し、経済発展と社会の安定に寄与し、地域の統合に寄与する。これが米国を含むすべての国にとってメリットがあるということを、まさか否定するのか?

中国は発展の過程で数多くのノウハウ、資本、技術を蓄積した。とりわけ国土が広大で各地の状況が千差万別であることから、そのノウハウはさまざまな国に適用可能だ。AIIBの設立を提唱したことで、さらに多くの国際的責任を引き受け、アジア太平洋各国の互恵・ウィンウィンを実現するとの中国の意向がはっきりと示された。米側は「中国が責任あるステークホルダーとなり、国際社会にさらに多くの公共財を提供することを望む」と口を開けば言う一方で、AIIBの設立に反対の立場でいる。これはいささか偽善的と言わざるを得ない。

中国側はAIIBの設立を提唱する過程において、AIIBと既存の多国間制度は相互補完的な関係にあり、アジア太平洋のインフラ整備のためにそれぞれ役割を発揮できると一貫して強調してきた。もし今後成功すれば、AIIBはさらに多くの国々を参加へと引きつけ、国際協力の模範を示すことになる。まさかこれが悪いことだとでも言うのか?たとえAIIBがWBやADBと何らかの面で何らかの競争を形成したとしても、良性の競争とすることが完全に可能だ。国際的な事において独占は良くなく、覇権はさらに良くない。いずれも発展環境改善のためであるのだから、いくつか競争があったとしても何の不都合があろうか?アジアの発展におけるニーズにより良く適応するため、WBやADBの制度改善を呼びかける声がすでにある。新たな制度であるAIIBの設立は世界金融ガバナンスを完全なものにするうえでプラスとなる。これは非常に有意義なことだ。

今回米国はAIIB問題について同盟国に圧力をかけ、同盟国自身が自国や地域にとってプラスだと思うことをせず、米国の考えに沿うことをするよう要求した。これは横暴なやり方だ。このような同盟関係に基づく米国の「アジア太平洋リバランス」戦略の意義はどこにあるのか?地域・国際的問題における米国の主導権を維持するためだけなのか?時代は前進しなければならず、いくつかの国際秩序も時代に合わせて変わらなければならない。米国による圧力はすでに一部の国に溝を生じさせている。AIIBを支持する準備がまだできていないと言うのなら構わない。だが間に入って妨害し、他国の参加を阻止するのは問題だと言わざるを得ない。

AIIBの設立に対して、米国が人前に出せる反対理由を持っているとは思われない。米国の一部世論ですら、米国はAIIBに自ら参加すべきだと考えている。問題は、AIIBに難癖をつけるのは、中国に対する米国の疑念や懸念、自らの主導権に対する憂慮を反映しているということだ。米国にとってこれは振りほどくことのできない煩悶だ。AIIBに対して米国は度量を大きくし、協力・ウィンウィンの考え方をし、ゼロサム思考や競争心理を減らすべきだ。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/TF)

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