太陽光や風力発電の比率増す現状での「真の電力網構築」の概念提出―ファーウェイ

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ファーウェイの蔡凌宇中国デジタルエネルギー戦略・マーケティング部部長は電力関連のフォーラムの基調講演で、同社が確立した技術6種によって「真の電力網構築」という概念が定義されたと説明した。

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香港メディアの鳳凰網はこのほど、華為技術(ファーウェイ)の蔡凌宇中国デジタルエネルギー戦略・マーケティング部部長が第6回新型電力システム国際フォーラム兼第21回中国南方電網国際技術フォーラムで10月31日に行った基調講演を紹介する記事を発表した。

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蔡部長は、太陽光発電や風力発電の比率が高まりつつある現状において、従来型の技術では解決が難しかった発電および蓄電施設と電力網(グリッド)の接続を、ファーウェイがどのように解決し、実績を上げてきたかを説明した。

太陽光発電や風力発電では、その時その時の天候の違いや昼夜の別などにより、発電量が制限される。一方で、電力網に対する電力需要も刻々変動する。そのため、太陽光発電や風力発電の施設には蓄電施設が敷設され、電力網側が必要とすればその分の電力を供給し、電力網側の必要以上に発電が可能な場合には蓄電しておく。問題なのは、発電側から供給する電力の電圧や周波数を、電力網側の設定に、どの瞬間も一致させねばならないことだ。

蔡部長によると、ファーウェイは「短絡支援」「仮想慣性支援」「広帯域振動抑制」「高速一次周波数調整」「分単位ブラックスタート」「シームレスなグリッド接続と切断」という、電力網を安定して維持するシステムを開発した。これらの技術は、電力網が問題なく運営されている場合だけでなく、回路の短絡や周波数の乱れ、停電などが発生した場合でも、電力網の安定を維持するまたは安定性を速やかに回復するものだ。蔡部長は、これらの中核技術6種によって「真の電力網構築」という概念が定義されたと説明した。


蔡部長は実例としてまず、チベット自治区西部のゲルツェ県でのスマートストリング型グリッドフォーミング蓄電ソリューションの導入を挙げた。太陽光パネルの接続方式としては、まず1990年代から用いられた集中型がある。大量の太陽光パネルからの直流電流を一つにまとめて、交流に変換するために1台のインバーターに接続する方式だ。かつてはインバーター関連が高額かつ大型だったこともあり、集中型には導入しやすい長所があるとされたが、どこか一カ所に不具合が生じると、影響が全体に波及する恐れがある。

それに対してストリング型は、パネルを直列接続したストリングを複数作り、それぞれの電力をそれぞれのインバーターにより交流変換する方式で、分散制御が可能で、不具合の影響を局所化できる。スマートストリング型とはストリング型に人工知能(AI)技術を追加して、その時その時のパネルの能力を最大限に引き出し、さらに遠隔監視、予兆診断、安全遮断なども行える方式だ。

ゲルツェ県には300メガワットの太陽光発電所があるが、この発電所にファーウェイの最大出力6メガワットで蓄電量24メガワット時の蓄電池ソリューションが導入された。このことで、それまで1.5メガワットだった施設の出力容量は12メガワットにまで向上し、施設運営側には追加費用と差し引きしても年間400万元(約8700万円)超の利益がもたらされた。

蔡部長は、中国国外のルーマニアスウェーデンサウジアラビアでの導入事例も説明した。稼働状態はいずれも良好であり、導入側にはより安定した電力網や投資資金の早期回収がもたらされたという。

中国電機工学学会の技術認定専門委員会は2024年7月、ファーウェイが申請した技術認定プロジェクトについて、太陽光・風力発電の使用比率の高まりを背景に、新型電力システムの安定性向上と新エネルギーの電力網接続と需要に対応して工学的応用を実現したと一致して認定した。また、ファーウェイの取り組みは国際的にも先進的な水準にあり、さらにファーウェイが大規模な応用を推進するためにグローバル電力網シミュレーションセンターと電力網構築型蓄電プラットフォームの応用試験センターを設立し、多くのシミュレーションツールと実環境での検証を通じて、高温および低温、弱電力網(外部からの影響を受けやすい電力網)、慣性応答、ブラックスタートなどのシナリオを網羅し、産業の厳格な検証と高品質な発展を支えていることも評価された。

蔡部長は、ファーウェイは電力分野においてもAIの潜在力を引き出すことに注力している。すなわち、これまでに蓄積したクラウドとエッジの協調構造、AIおよびその大規模モデルの経験を基盤に、発電、送電、負荷、蓄電の一体化調整能力を構築し、パートナーと連携してスマートエネルギー管理プラットフォームを立ち上げた。このことにより、統一的な管理と調整が可能となり、太陽光や蓄電についての可視化、管理、制御が実現した。AIは気象、負荷、日射量、電力価格、システム運用などのリアルタイムおよび過去のデータを収集し、太陽光や蓄電のスマート調整アルゴリズムのオンライン学習を行うことで、調整戦略を随時更新している。このことで、負荷予測、発電予測、調整最適化、負荷管理の精度が向上し、各種資源の価値の最大化が達成された。

蔡部長はファーウェイの姿勢について、「未来に向けて、技術革新と品質重視の方針を堅持します」と改めて説明した。ファーウェイを取り巻く環境の変動による影響を最小限に抑えて質の高い成長を持続し、産業界と顧客に先進的な製品とサービスを提供することで、高い品質を共に創造し、スマートな技術と戦略で高価値を勝ち取る方針だ。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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