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中韓首脳会談を受け、中国の「限韓令」解除への期待が再び高まっている。韓国紙は「中国の社会全般の規制装置へと進化したことを考えると解除は容易ではない」との見方を示した。写真は北京。
11年ぶりに韓国を訪問した中国の習近平国家主席と李在明(イ・ジェミョン)大統領が11月1日に首脳会談した。韓国内では韓国文化を閉めだす中国の「限韓令」解除への期待が再び高まっているが、韓国紙は「中国の社会全般の規制装置へと進化したことを考えると解除は容易ではないとものとみられる」との見方を示した。
「限韓令」は朴槿恵(パク・クネ)政権下の2016年、在韓米軍基地へのTHAAD(高高度防衛ミサイル)の配備に反発して中国が打ち出した。中国側は報復措置とは認めていないが、THAAD配備計画の発表後、中国でも人気があった韓流ドラマなどは放送中止が広がった。
ハンギョレ新聞によると、限韓令の解除ムードは1日の首脳会談後、習主席と韓国大衆文化交流委員会のパク・ジニョン委員長が楽しげに対話し、国会外交統一委員会の与党幹事である「共に民主党」のキム・ヨンベ議員がSNSへの投稿で「限韓令が解除される可能性が高い」と書いたことで広がった。
ところが翌日の2日、大衆文化交流委は資料を発表。「外交上での原則的なあいさつレベルだ」とし、「性急な判断だ」と一線を引いた。
専門家らは「限韓令の解除は非常に難しい」とみている。中国専門家である韓国金融研究院のチ・マンス上級研究委員は「限韓令は当初、THAAD配備に対する『戒め』として始まったが、21年ごろに中国のファンダム文化の発展に驚いた中国当局によってその性格が変わった」と言及。「限韓令は青少年に悪影響を与え共産党外部に組織を形成するリスクを防ぐ文化・芸能規制政策へと変わった。韓国と首脳会談や関係改善をしたからといって変わることはないだろう」と語った。
実際、21年に韓国のアイドル選抜オーディション番組「プロデュース101」を模した中国の番組「青春ユニ3」が大きな人気を集め、当時、番組のスポンサーである蒙牛乳業が牛乳製品のふたにあるQRコードを読み取ると(一人が)何度も投票できるマーケティングを行ったことで、ファンが牛乳を大量買いし、QRコードだけを読み取って牛乳を捨てるという事態が起きた。
「27万本の牛乳が捨てられた」という推算が出たことを受け、「ファンダムの威力」に驚いた中国当局は芸能人の人気順位(発表)禁止▽コメントなどによる順位操作禁止▽ファンダムに対する芸能人所属事務所の管理責任の強化など、強力な規制に乗り出した。
ハンギョレ新聞は「韓国が韓中関係改善の証拠として限韓令の解除にこだわることが、両国関係改善にかえって負担になっているという指摘もある」と報道。チ研究委員は「今回の首脳会談で関係改善の扉を開いただけに、韓国がどんな分野で中国と新たに協力できるかを考え、現実的で必要なことへの準備を万全に整えるかが次の課題」だと助言した。(編集/日向)
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