パリ初出店の中国SHEINにバッシングの嵐、一体何が?―仏メディア

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5日、仏RFIは、フランスで実店舗を開店した中国のファストファッションECサイト「SHEIN(シーイン)」が、同国内でバッシングに巻き込まれたことを報じた。

2025年11月5日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、フランスで実店舗を開店させた中国のファストファッションECサイト「SHEIN(シーイン)」が、同国内でバッシングに巻き込まれたことを報じた。

記事はSHEINの実店舗が5日、パリの百貨店BHVでオープンし、その同日にフランス政府がSHEINに対して違法商品を48時間以内に削除するよう求め、応じない場合は国内での販売活動の停止を含む行政処置を発動すると表明したことを紹介。発表は国民議会で拍喝をもって迎えられたと伝えた。

さらに、ニュネズ内相がSHEINの「体系的かつ反復的な違法行為」に対して司法当局に提訴を行い、同サイトの封鎖を裁判所に求めたと報じたほか、フランス政府は欧州委員会にも要請を出し、SHEINの商業慣行に関する調査を求めたとしている。

また、実店舗には多くの客が詰めかけたものの、オンラインより高い価格に不満や失望の声が上がったとも指摘。テレビ局TF1や仏紙フィガロによると、来店客の中には「だまされた気分」と語る人もいたと伝えた。

記事は、SHEINをめぐっては以前から指摘されていた児童性的虐待的な人形や武器類の販売疑惑も再燃し、実際に関連商品を購入した男性が逮捕される事件が発生したことも紹介。フランス検察当局によると、この男性は過去に性的暴行罪で有罪判決を受けたとしている。このほか、SHEINが今年フランスで課された罰金総額がすでに1億9100万ユーロ(約338億円)に上るとも報じている。

その上で、フランス政府やフランス世論からSHEINに対する厳しい反応が出た理由について、違法商品がまん延しているという事実に加えて、SHEINの圧倒的な価格競争力が苦境にあるフランスの既製服産業にさらなる打撃を与える可能性があること、低廉な衣服を大量生産することによる環境破壊や低賃金労働に対する懸念の積み重なりがあると指摘している。

一方、SHEIN側は政府発表の直後にフランスでの「モール事業」を自主的に一時停止し、第三者販売商品の全面的な点検を行うと発表。「今回の決定は政府の要請とは独立した措置であり、すべての商品がフランス法および自社基準に適合するよう確認する」と説明した。また、「フランス当局と建設的な対話を行い、消費者保護の取り組みを示したい」とコメントしている。

記事は、SHEINがフランス市場での信頼回復と政治的摩擦の緩和を目的に、昨年末からクリストフ・カスタネール元内相を顧問として高額で起用したと紹介。現地の政治状況に通じた人物を前面に立てることで、自社のイメージ向上と規制当局への働きかけを図るいわば「保険」とも言える戦略だったと説明した。

そして、今回の実店舗オープンと同時に発生した政府による厳しい制裁措置と世論の批判は、この戦略が全く機能していないことを露呈したと指摘。表面的なイメージ操作では、ビジネスモデルの本質からくる批判をかわすことはできなかったと評した。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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