ガソリン車の販売台数が4カ月連続増、「復権」の背景にあるのは―中国メディア

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4日、騰訊新聞は、電気自動車(EV)が主流となりつつある中国の自動車市場において、ガソリン車の販売が4か月連続で増加したことを報じた。

2025年11月4日、中国メディアの騰訊新聞は、電気自動車(EV)が主流となりつつある中国の自動車市場において、ガソリン車の販売が4か月連続で増加したことを報じた。

記事は、中国自動車工業協会が公表したデータによると、今年9月の中国国内のガソリン車販売台数が100万台に到達し、4カ月連続で前年同期比増加を記録したと紹介。1〜9月のガソリン車累計販売台数約814万台から算出した市場シェアは約48%と、急速なEV化が進む中でも依然として市場の約半分を占めており、有識者からは「市場がEVへの熱狂的な集中から冷静な判断へと戻った結果」との声が出ていることを伝えた。

そして、ガソリン車が販売を回復した最大の要因はEVに対抗するための「価格競争による販売促進」であり、メーカーが積極的に値引き戦略に出ていることを指摘。日産ルフィが標準価格から39%引きの6万9000元で販売されているなど、ガソリン車の割引率は全体で30%前後に達し、一部の高級車では40%を超える現金割引も確認されているとした。また、値引きと同時に装備の充実に努めることでコストパフォーマンスを極限まで高め、消費者の購買意欲を刺激していると分析している。

さらに、ガソリン車の販売が好調な状況を受けて、EV一辺倒だった中国の自動車メーカーの戦略も変わりつつあり、「EVとガソリン車の同時進行」へと舵が切られていると指摘。吉利汽車がEVと並行してガソリン車部門を強化する方針を打ち出し、奇瑞汽車もEVと同等のスマート技術をガソリン車にも搭載する戦略を発表し、EVとの技術的な差を埋める方向性を示したことを例に挙げ、多様な顧客層のニーズに応えようとするメーカー側の戦略がガソリン車の復権を後押ししていると評した。

記事はまた、ガソリン車の復権を支えるもう一つの重要な要素として「スマート化」にも言及し、これまでEV専用のイメージがあった高性能なチップやスマートコックピット、運転支援システム(ADAS)などが、ガソリン車にも次々と標準装備されていると紹介。広汽トヨタが主要モデルのモデルチェンジで、高性能チップや音声認識、OTA(無線でのソフト更新機能)機能といったスマート装備を標準搭載したほか、一汽アウディのA5Lがファーウェイ(華為技術)の先進的な運転支援技術を搭載したことを例に挙げた。

一方で、ガソリン車のスマート化については、構造上の制約により現状ではL2レベルのADAS搭載にとどまっていることも併せて伝えている。

記事は、中国の自動車市場が単一の技術への集中から「多様な車種が並び立つ」時代に入ったとの見方を示した上で、メーカーもガソリン車とEVの両方で異なる顧客層のニーズを満たす「多角的なアプローチ」へと戦略を転換し、市場競争はより成熟したものになっていくという業界関係者の予測を紹介。ガソリン車は急速に消滅することはなく、EVと並行して市場の重要な一部であり続けることになりそうだと伝えた。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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