【ぶらり北京】あの友誼商店は今!編

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北京の街を人民網日本人編集者のA姐とG姐がぶらりと歩いて紹介する、その名も「ぶらり北京」。今回は北京友誼商店をリノベーションした「友誼花園」を訪れました。

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北京の街を人民網日本人編集者のA姐とG姐がぶらりと歩いて紹介する、その名も「ぶらり北京」。今回は北京友誼商店をリノベーションした「友誼花園(フレンドシップガーデン)」を訪れました。友誼商店といえば、かつては外国人旅行者にとって欠かせないお土産購入スポット。そんな友誼商店がリノベーションでどんな風に変わったのか、A姐G姐と一緒にのぞいてみましょう!

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そもそも「友誼商店」って何?

建国門外大街にある北京友誼商店がリノベーションを経て生まれ変わり、9月末に「友誼花園」としてオープン。北京の人気スポットになっている。


ところで、比較的若い世代の人の中には、そもそも「友誼商店って何?」と思う人もいるかもしれない。友誼商店は中国に駐在する外交官や外国人専門家、中国を訪問した外国人向けの国営店舗のことだ。平たく言えば、外国人観光客にとっての中国土産購入スポットで、必ず一度は行ったことのある場所だったと言っても過言ではないだろう。「対外開放の窓」と言ってもいい存在だった。

北京友誼商店は1964年に開店し、1973年に現在の建国門外大街に移転。2024年からリノベーションが進められていた。

かつての北京友誼商店(「友誼花園」内の説明プレートより)と現在の北京友誼商店

北京で暮らす外国人にとっても、北京友誼商店は欠かせない存在だった。日本に帰国する際のお土産を買うだけでなく、当時はなかなか手に入らなかったバターや生乳、洋風のパンなどの食品や生活用品を友誼商店付属のスーパーに買いに来ることも多かった。

北京友誼商店で買い物をする外国人(「友誼花園」内の説明プレート)

かつての「対外開放の窓」

中国人にとっても、海外から輸入した家電、高級タバコ・酒といった商品を扱う友誼商店は、いわば「憧れの存在」だった。例えば、1979年に中国市場に進出したコカ・コーラは、最初は北京友誼商店と一部の外国人向けホテルでしか買えなかった。当時の値段は1本4角(角は1元の10分の1)。国産炭酸飲料の価格が1本8分(分は元の100分の1)だったから、その値段の高さが分かるだろう。

コカ・コーラの搬入作業(「友誼花園」内の説明プレート)

しかし、一般の中国人にとって、友誼商店で買い物をすることは容易なことではなかった。当初、友誼商店に入ることができるのは外国人だけで、購入の際には「外貨兌換券」が必要だったからだ。「外貨兌換券」は、外国人が外貨を人民元に両替した時に受け取る外国人専用の通貨で、1980年から1995年まで流通していた。

カフェ「BERRY BEANS」に展示されていた外貨兌換券と注意事項を記した貼り紙

1980年代中ごろになると、一般の北京市民もパスポートと紹介状があれば友誼商店に入れるようになったが、当時はパスポートの取得が困難だったことを考えると、依然としてそう簡単には手の届かない存在だったと言えるだろう。

ただ、その後外資系のデパートやスーパーなどができ始め、外国人にとっても、中国人にとっても、「対外開放の窓」としての友誼商店の存在感は次第に薄れていった。

バックヤードがおしゃれスポットに

そんな北京友誼商店が9月23日、「友誼花園」として生まれ変わった。北京友誼商店のバックヤードだったところを再開発したエリアで、ソフトオープン期間から注目され始め、若者や親子連れ、さらには北京友誼商店がにぎわっていた当時を懐かしむ中高年の人々が訪れている。

「友誼花園」のマップ

このエリアが面白いのは、元の施設名が分かるようになっているところ。例えば、入り口にあるのは、守衛室だった建物を再利用したカフェ。他にも、元は車庫だったクラフトビールレストラン、修繕室や倉庫、冷蔵室だった建物を利用したカフェやバーなどがある。

【守衛室→カフェ】

通りに面したところにある守衛室を改装したカフェ

【車庫→クラフトビールレストラン】

元車庫を利用したクラフトビールレストラン

【修繕室→カフェ】

映えスポットとしても人気のカフェ

【倉庫→カフェ】

レンガ造りの倉庫はバナナケーキなどが人気のカフェに

【社員食堂→レストラン】

かつて友誼商店4階に掛けられていた「友誼庁」の額が飾られている

社員食堂だった建物の一角には昔ながらの北京を彷彿とさせる茶館があり、中国茶を飲みながらゆったりした時間を過ごすことができる。


中国式アフタヌーンティーのセット。お茶請けはナッツ類や各種タネ

友誼商店自体は中古ブランド品売り場に変身

北京友誼商店の建物自体も大幅なリノベーションが行われた。特に3階の変化は劇的だ。3階はかつて兵馬俑の置物やじゅうたんなど大型の商品が売られていたと記憶している。その場所が中古ブランド品を扱う店「超級転転」に生まれ変わった。


店内に入ると、ブランド品のバッグや靴、有名メーカーの電子製品など、「超級(スーパー)」と名乗るのも頷けるほど大量の中古ブランド品が並んでいる。店内は若者を中心に多くの客でにぎわっていたが、昔の友誼商店の面影は全くなく、隔世の感に襲われた。

「友誼花園」の一角

「対外開放の窓」として、中国を訪れた外国人に中国の優れた商品を提供してきた北京友誼商店。その役目を終え、おしゃれスポットへと変身を遂げた今、ここを訪れる若者の中には昔の北京友誼商店を知らない人も多くいる。そんな若者にとってはレトロな中国を感じられる目新しいリノベスポットの一つだが、かつての北京友誼商店を知る年配者やここで買い物をしたことのある外国人にとっては当時を振り返って感慨に浸れるノスタルジックな場所と言えるだろう。昔の友誼商店を知らない人も、知っている人も、一度訪れてそれぞれの思いに浸ってみてはいかがだろうか。(提供/人民網日本語版・文、写真/勝又あや子)

「旅遊品部倉庫」と書かれたガラス扉。「旅遊」は旅行・観光という意味

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