ベトナムの改革で外資に衝撃、「吉」と出るか「凶」と出るか―香港メディア

亜洲週刊    
facebook X mail url copy

拡大

ベトナムでは、外資企業についての税制や法改正が進められている。「吉」と出るか「凶」と出るか予断が許されない状況という。写真はベトナム第一の経済都市ホーチミン市。

ベトナムでは10月15日、多くの外資企業に対する法人税率が15%に引き上げられた。単純計算では国の歳入を増やすことができるが、外国資本にとっては同国の魅力が低減する可能性がある。一方でベトナム側は、産業構造の改善という狙いを明らかにしている。同国にとって「吉」と出るか「凶」と出るかは、予断が許されない状況だ。香港メディアの亜洲週刊が伝えた。

ベトナムはこれまで外資に優遇措置を提供し、多くの外資企業の実効税率は約12.5%だった。しかしベトナム当局は「税制を国際慣行に合わせるための一助」として、10月15日に全世界の連結収入が7億5000万ユーロ(約1400億円)以上の多国籍企業グループを対象に、税率を15%に引き上げた。ベトナム当局は同措置について、100以上の国が同様の措置を採用していると説明した。

また、多国籍企業は税率の低い国と高い国に存在する傘下企業の間で商品を売買することで傘下企業の損益を操作して、グループ全体としての納税額を抑える手法も用いる。ベトナムが自国の税制を世界の大勢に近づけることは、このような手口の「節税」も難しくする。

既にベトナムでは外資の反発も発生している。昨年以降、インテルやLG化学などの大手多国籍企業がベトナムでの追加投資を断念し、ベトナムは数十億ドル(50億ドル=約7700億円)規模の外資の流入を失った。当局の推計によれば、15%の税率が導入された後、100社以上の大手多国籍企業が影響を受ける見通しだ。

一方で、新たな税制の枠組みは、ベトナムがより質の高い要素、すなわち良好なビジネス環境、熟練した労働力、先進的なインフラ、安定した政治環境など「持続可能な要素」で競争力を再構築する助けになるとみられている。

ベトナムは外資誘致に関連して投資法も改正し、大半の外国直接投資について事前審査型から事後審査型の管理へと移行し、監督を強化しつつ行政負担を軽減した。改正投資法では、外資がベトナムで事業を行う際に、特別な許可、審査、制限が課される業種の指定を21業種について撤廃した。その中には会計サービスの業務も含まれる。

ベトナムのグエン・チー・ズン副首相は最近になり、ベトナムは選択的な外資政策を採用しており、インフラ、科学技術、イノベーション、デジタル転換、バイオ技術、半導体人工知能(AI)などの分野を優先していると述べた。税制と投資法の改革は、ベトナムが従来の低付加価値産業での外資依存から徐々に脱却しようとしていることを示している。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

インフルエンサー募集中!詳しくはこちら


   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携