短期の宇宙出張へ、「マウス宇宙飛行士」はどんな旅を過ごすのか―中国

人民網日本語版    
facebook X mail url copy

拡大

中国で有人宇宙船「神舟21号」の打ち上げが間近に迫る中、宇宙の微小重力環境を利用した科学実験プロジェクトも新たに加わる予定だ。

中国で有人宇宙船「神舟21号」の打ち上げが間近に迫る中、宇宙の微小重力環境を利用した科学実験プロジェクトも新たに加わる予定だ。今回の飛行ミッションで最も期待される科学実験について問われると、宇宙飛行士たちは口をそろえて、新しい動物の仲間であるマウスの世話をすることだと答えた。これは、中国の宇宙ステーションが人類以外の哺乳類を迎える初めてのケースでもある。ラジオ放送「中国之声」が伝えた。

有人宇宙船「神舟15号」の有人飛行ミッション以来、中国の宇宙ステーションにはこれまでにゼブラフィッシュ、ショウジョウバエ、プラナリアなどのモデル動物が滞在してきた。これらの生物は「動物宇宙飛行士」とも呼ばれている。今回、新たにマウスが加わり、宇宙でどのような新たな課題に直面するのか、そしてその旅が人類の科学研究にどのような示唆をもたらすだろうか。

科学者にとって、マウスは最もなじみ深く一般的な実験動物の一つだ。これまでの「動物宇宙飛行士」と比べ、哺乳類であるマウスは、人間との遺伝的距離が近く、組織や臓器の類似性がより高い。また、哺乳類の中でも体が小さく、飼育や管理が容易で、制御しやすく研究が進んでいるという利点がある。

神舟21号に搭載される4匹の黒いマウスは2組に分けられ、それぞれマウス用の実験ユニットに収容される。マウスのために特別に設計されたこの「小型キャビン」は、外見は透明な観察窓がついた金属製の箱のようだが、内部には多くの仕掛けが施されている。エサや飲料水の供給から排泄物の回収に至るまで、すべてが宇宙の微小重力環境に適応できるように特別設計されている。また、照明や撮影機能も欠かせない。打ち上げ時の重力加速度によるストレスを減らすため、マウスは神舟21号の貨物用ソフトバッグの中に収められ、できる限り振動を抑えた状態で宇宙へと旅立つ。

中国科学院上海技術物理研究所の劉方武(リウ・ファンウー)氏は、「マウス実験ユニットにはバネのような小型装置も備えられており、マウスが本来持つ穴居性という生態的特徴を考慮した特別な設計だ」と説明した。

神舟21号が軌道に入った後、宇宙飛行士は貨物用ソフトバッグを開封し、マウスを収容した実験ユニットを生命維持装置から取り出して、すでに宇宙ステーション内で準備されている小型哺乳類飼育装置に収める。この装置は、すでに宇宙貨物船「天舟9号」によって宇宙ステーションに運ばれ、設置と機能テストを完了している。劉氏は、「これらの装置は今回の実験だけでなく、今後の宇宙ステーションにおけるげっ歯類研究の長期的な実験プラットフォームとなる」と語る。

今回の宇宙実験では、4匹のマウスが5〜7日間の「宇宙の旅」を予定している。神舟20号・21号の二つのチーム計6人の宇宙飛行士との短い共同生活の後、マウスは神舟20号と共に地球へ帰還する予定だ。中国科学院動物研究所の李天達(リー・ティエンダー)副研究員は、「今回のマウスの宇宙滞在期間は短いものの、短期宇宙飛行がマウスに与えるストレスや適応変化を研究するには十分な時間だ」と説明した。

マウスが「宇宙出張」している数日間、地上の研究者は装置内の撮影機能を使って、無重力環境下でのマウスの行動や状態を観察する。神舟20号が帰還した後、研究者はすぐに着陸地点に向かい、マウスの帰還を迎えてさらに実験や解剖研究を行う予定だ。

これまでの線虫、ショウジョウバエ、ゼブラフィッシュなどのモデル動物研究と同様に、これら一連の宇宙科学実験は今後の長期的な宇宙探査のための基礎データを提供し、宇宙生命科学の発展を推進するものとなる。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

※本記事はニュース提供社の記事であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。すべてのコンテンツの著作権は、ニュース提供社に帰属します。

インフルエンサー募集中!詳しくはこちら


   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携