日本による5500億ドルの対米投資は「水の泡」になるのか―中国メディア

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26日、第一財経は、日本国内から「不平等」との声が出ている5500億ドル規模の対米投資について、その内容と生じうる影響を分析する評論記事を掲載した。写真は米国。

2025年10月26日、第一財経は、日本国内から「不平等」との声が出ている5500億ドル(約81兆円)規模の対米投資について、その内容と生じうる影響を分析する評論記事を掲載した。

記事はまず、関税交渉の中で日本が提起した5500億ドル規模の対米投資の中身について解説。期間は今年10月からトランプ大統領の第2期任期が終わる2029年1月19日までで、半導体、製薬、重要鉱物、エネルギー、人工知能(AI)など主要産業が投資の重点分野になっているとした。

また、米国商務長官が率いる投資委員会が設立され、個別の投資プロジェクトに対する最終決定権は米国大統領に属して日本側に決定権はないこと、利益分配は日本側が投資額を回収するまで双方の折半とし、以後は米国が90%、日本が10%とすること、日本側には特定のプロジェクトへの出資を拒否する権利が認められているものの、米国側には日本からの輸入品に追加関税を課す対抗措置のオプションが設定されていることなどを紹介している。

さらに、投資案に対する日米両国側の反応がはっきり分かれていることを指摘。米国側はトランプ大統領が「わずかな関税引き下げで5500億ドルもの投資を呼び込めたことへの満足感」を示したのに対し、日本の世論からは「不平等条約」であり、後の政府に対する「負の遺産」だという厳しい批判の声が飛び出し、交渉の主要代表であった赤沢亮正経済再生担当相(当時)が弁明に追われたことを伝えた。

記事はその上で、投資案によって日本に生じる種々のリスクについて分析。まず「最大の懸念」として為替への影響を挙げ、巨額の対米投資によって円安が加速し、これに伴って生じる悪性インフレや外資による廉価な企業買収など日本の経済回復を妨げ、国民生活に打撃を与える状況が起こり得るとした。

また、日本の外貨準備の柱である米国債の約半分に相当する5500億ドルという大規模な資金移動を行えば、日本の国際信用が大きく揺らぐリスクがあるほか、資金調達に伴う利息負担が日本政府保有の米国債の年間利息収益をほぼ食いつぶすことになり、財政圧力が高まる可能性についても指摘した。

さらに、投資プロジェクトの最終決定権を米国側が握っている点も懸念材料であり、5500億ドルが採算性の低い、米国企業が避けるような案件への投資に用いられて「水の泡」になる恐れもあると伝えた。

記事は「5500億ドルの対米投資は円安加速構造をさらに悪化させ、日本経済に重い負担をかけ、国民生活と国家信用を重く傷つける」という見解を改めて強調した上で、新政権を発足させた高市早苗首相が「国益を損ねる恐れがある場合の再交渉」に前向きな姿勢を示していることに言及。その手腕については日本国内から期待が集まるとともに、日本と同様に対米関税交渉に取り組むEUや韓国からも注目されていると結んだ。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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