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600年以上の歴史を持つ中国北京市の故宮(紫禁城)が子どもたちに人気の体験学習スポットとなっている。故宮は「神獣ハンター」などの新しいプログラムを提供している。写真は故宮。
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休日になると、600年以上の歴史を持つ中国北京市の故宮(紫禁城)には、たくさんの子どもたちが訪れ、人気の学習スポットとなっている、と中国メディアが伝えた。近年、中国では体験学習が盛んになり、故宮は「神獣ハンター」などの新しいプログラムを提供している。
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中国通信社(CNS)によると、体験学習は実際に現地を訪れたり調査したりしながら、教科書の知識を現実と結びつけて学ぶ方法を指す。北京市でこうした活動を企画している教育関係者の黄秋子氏は「体験学習は知識と子どもの興味を結ぶ『橋渡し』のようなものです。楽しみながら歴史や考古学、自然科学に関心を持てるのが魅力です」と話した。
故宮はかつて中国の皇帝24人が暮らした宮殿で、70を超える建物が並ぶ。1925年に博物館として開かれてから今年で100年を迎えた。歴史、建築、考古学を学ぶ上で、まさに「生きた教材」と言える。壮麗な殿堂や楼閣から指輪やボタンのような小物まで、すべてが学びの題材になる。
中でも人気なのが「神獣探し」のプログラムだ。故宮には中国神話に登場する伝説の生き物をモチーフにした装飾が多く、インターネット上では約40種類の「神獣リスト」が共有されている。
屋根の上の飾り(脊獣)や竜の形をした排水口(螭首)、門を守る怪獣(椒図)などを「故宮を守る十大神獣」として紹介。子どもたちは探偵のように城内を歩き回り、神獣を探し出す。講師がそれぞれの神獣の由来や物語を説明すると、子どもたちは中国の伝統文化への興味を深めていく。
神獣探しでは太和殿が欠かせない。講師は屋根の脊獣を「屋根のボディーガード」と表現する。紫禁城で最も大きな建物である太和殿の屋根には10体の脊獣が並ぶが、他の建物は9体までしかない。10体目の神獣「行什(こうじゅう)」は雷神の化身とされ、落雷を防ぐ意味があるという。
神獣探し以外にも建築や美術をテーマにした講座がある。今年の夏休み期間、故宮博物院では「屋根の下の色彩」という授業が開かれ、多くの子どもたちが参加した。故宮にはおよそ9000の部屋があり、その梁(はり)や柱を彩る装飾絵画は見どころの一つだ。
CNSは「かつてはガイドの説明を聞きながら歩くのが一般的だったが、今では子どもたちが自らの興味に沿って発見するスタイルへと変化している」と報道。「体験型の学びの広がりによって、故宮はより多様な『学びの舞台』となり、子どもたちに歴史や科学、そして東洋の美を自ら探究する機会を与えている」と強調した。(編集/日向)

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