中国の科学者が固体電池の難関を突破、新エネ車の航続距離は1000キロの壁突破へ―香港メディア

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16日、香港メディア・香港01は、中国の科学者が全固体電池の難題を克服したことで、電気自動車(EV)の航続距離が1000キロを超える可能性が出てきたと報じた。

2025年10月16日、香港メディア・香港01は、中国の科学者が全固体電池の難題を克服したことで、電気自動車(EV)の航続距離が1000キロを超える可能性が出てきたと報じた。

記事は、全固体電池が次世代リチウム電池の中核技術として注目される一方で、現在主流の硫化物系固体電解質は硬くもろいのに対し、金属リチウム電極は柔らかいため、接触面に微細な隙間ができやすく、充放電効率を低下させるという課題があると紹介。この界面に関する問題が、全固体電池商用化における最大の壁とされており、近ごろ複数の中国研究機関が革新的な技術により大きな研究成果を挙げたと伝えた。

まず、中国科学院物理研究所などの共同チームが、電場の働きで電極と電解質の境界に移動し、リチウムイオンを引き寄せながら隙間を自動的に埋める特殊素材を開発したことを紹介。この素材により電極と電解質が密着し、電池性能が大幅に向上したと説明した。

次に、中国科学院金属研究所の研究者らが、電解質に高分子の骨格構造を組み込む技術を確立したことに言及。電解質に骨格構造を与えることによって強靭(きょうじん)性が高まり、2万回以上の曲げ試験やねじり試験にも耐えることが確認されたほか、骨格内に配置された特定の化学成分がリチウムイオンの移動速度を高め、電池の蓄電容量を最大86%向上させる効果を示したと伝えている。

さらに、清華大学の研究チームはフッ素を含む高分子材料で電解質を改良し、高電圧時の耐久性を飛躍的に高めたと紹介。電極表面に形成されるフッ化物の保護層が高電圧による電解質の破壊を防ぐ仕組みであり、この技術に基づく試作電池は満充電状態での針刺し試験や120℃の高温環境下でも爆発せず、安全性と高性能の両立を実現したと解説した。

記事は、これらの新たな技術の開発によって、これまで全固体電池で最大500キロだった航続距離が、1000キロの大台を突破する可能性があると伝えている。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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