中国で「ゆる旅」が静かなブームに、体力ほとんど使わずに最大限の心理的満足

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エレベーターで登る「無痛登山」、ゆっくり地上に降りる「スローバンジー」。中国では体力をほとんど使わずに最大限の心理的満足を得る「ゆる旅」が静かにブームを巻き起こしている。写真は旅行。

エレベーターで登る「無痛登山」、ゆっくり地上に降りる「スローバンジー」、水面に身を任せる「ゆる漂流」。中国では体力をほとんど使わずに最大限の心理的満足を得る「窩囊游(ゆる旅)」が静かにブームを巻き起こしている。中国メディアが伝えた。刺激を求めつつも、安全で癒やされたい人のための新しい旅のスタイルだ。

中国通信社(CNS)によると、北京市の黄花城水長城、湖北省黄石市の「天空の城」、湖南省長沙市の石燕湖など各地の観光地では相次いで「ゆるバンジー」体験を導入している。

高さは通常のバンジーの半分ほどで、参加者は専用の安全装備を着けて跳台から軽く飛び出すだけ。落下の瞬間にわずかに重力を感じるが、すぐに伸縮ロープに支えられてゆっくりと降下する。怖さよりも安心感が勝り、誰でも笑いながら空中散歩を楽しめる。

激しい急流や波を越える必要のない「ゆる漂流」も、近年人気が急上昇している。データによると、今年の夏は「ゆる漂流」の検索数が前年同期比で135%増加したという。

河南省の重渡溝や山東省の利山澗、浙江省安吉県の原野西渓、江蘇省常州市の茅山森林世界、さらには北京市郊外でも続々と新しいコースが登場している。救命胴衣を装着して小舟に寝そべるか、水面にそのまま浮かびながら、ただ空を眺め、川の流れに身を委ねる。

山登りにもこの「ゆるスタイル」が登場している。浙江省の千島湖畔にある天嶼山では徒歩で登れば1時間かかるところを、全長345メートルの屋外エスカレーターでわずか10分。しかも噴霧装置付きで、炎天下でもミストに包まれて涼しく、まるで雲の中を歩いているような気分になれる。

下山も遊び心たっぷりだ。天嶼山ではゴムボートに乗って、ガラス製のウォータースライダーを滑り降りることができる。滝や竹林を抜けながら、10分ほどで山の麓に到着する。

ほかにも各地の観光地では「自動登山」をさらに楽しくアレンジしている。杭州市のOMGハートビートパークでは木馬型の乗り物に乗って6分で山頂へ向かう「天馬行空」体験が人気だ。山頂で再び乗り物に乗って下山もでき、何度でも楽しめる。

スリルを味わいたい人にはジグザグコースを疾走する「スカイレール」が用意されており、スピードを自分で調整しながら山の景色を満喫できる。

西北師範大学の李巍教授は「『ゆる旅』は『怠けること』ではなく、新しい体験の再構築だ」と指摘。「今の中国人旅行者は『頑張って遊ぶ』よりも、心身を整える持続的な旅を求めている。山や川は征服する対象ではなく、抱きしめる対象に変わりつつある。旅の価値は強さや量ではなく、どれだけ心地よく、どれだけ自分と向き合えたかにある」と語った。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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