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中国人民大学教授の金燦栄氏は14日、「中国にまもなく日本式の『ノーベル賞ラッシュ』が起きる?それはおそらく幻想だ」と題する動画を投稿した。写真はストックホルム市庁舎。
中国人民大学教授の金燦栄(ジン・ツァンロン)氏は14日、中国のSNS・微博(ウェイボー)のアカウントで「中国にまもなく日本式の『ノーベル賞ラッシュ』が起きる?それはおそらく幻想だ」と題する動画を投稿した。
金氏は、「米国人が毎年のように受賞するのに加え、中国人の注目が集まるのは日本。日本人の受賞の割合はここ数年特に高く、今年も2個受賞した。そのため、(中国で)多くの議論が巻き起こる」と指摘。「ノーベル賞は中国からなぜこんなにも遠いのか。私はこれがいくつかの事実を反映していると考えている」と述べた。
その上で、まず「基礎科学研究の面で西側諸国の実力は高く、米国、欧州、日本にはいずれも非常に優秀な学者がいる。私たちはこの差を認めないといけない。日本について言えば、ある種の特殊性がある。受賞成果はいずれも20年前のもので、確かに日本は1970~90年代に世界の舞台で突出したパフォーマンスを見せていた」と評した。
一方で、「日本が当時の勢いを現在も保っているかと言えば、大きな疑問符が付く。日本の科学技術の急速な下降は明らかだからだ。多くの重要産業においてすでに中国に抜かれている」とし、「両面がある。彼らが過去に優れていたことは事実だが、それが現在の科学研究のレベルや産業レベルを反映しているわけでは決してない」と論じた。
また、日本のノーベル賞受賞は日本政府の努力とも関係があると言及。「20年前、日本政府は『50年で30個のノーベル賞受賞』という計画を立て、すでに20個余りを獲得している。高い確率で目標は達成されるだろう。日本政府はノーベル委員会や票を投じる学者たちとどのようにコミュニケーションを取り、日本の成果を適切な形で彼らの元に送るかを研究していた。日本はかつてブラジルに移民を送ったが、それをノーベル賞でも応用しているのだ」と主張した。
金氏は、「西側諸国は当然ながら中国の台頭を快く思っていない。そのため、中国の台頭がもたらす西側への衝撃を和らげようとしている」とも指摘。「日本人は毎年のようにノーベル賞を受賞し、これは今後も一定期間続くだろう。中国人はこれに慣れる必要がある」とする一方で、「ノーベル賞をめぐる論争は近年ますます大きくなっている。科学技術ではない分野、経済学賞や平和賞だ。平和賞についてはすでにその名声はないに等しい。文学賞もますますひどくなっている。生理学・医学賞や化学賞、物理学賞はまだ良い。つまり、これらが西側の最後の実力ということになる」とした。
そして、「科学の進歩に価値があるかどうかを最も反映するのは、生産力向上を促すことができるか、社会全体の効率を上げることができるか、最終的に人類の福祉を向上させることができるかだ。ここから離れれば離れるほど、自然科学分野のノーベル賞の名声も落ちることになるだろう」と指摘した。
金氏は「中国人はこの賞をあまり重視し過ぎない方がいい。本質的に西側が掌握する評価システムだからだ。西側のシステムであれば、西側の戦略的利益に資するような結果になるのは当然のこと。中国の利益はそれらと衝突する。中国はそのシステムの中では、地位が上がることは永遠にない。だが、真に自信を持つ中国人は怖がる必要はない。中国人にとっては自国の全面的な進歩こそが重要だからだ。中国を排除させておけばいい。彼らのおかしな基準で中国人を貶め、自己満足をしているだけなのだから。そしてそれは自らを麻痺させる。とても良いことだ。現実世界で、産業、科学技術、軍事、制度のあらゆる面で西側を圧倒すれば、(ノーベル賞は)笑い話になる」と主張した。
そして、「中国は76年で工業化を完成させた。西側は300年だ。こんなに偉大なことなのに(中国に)経済学賞が与えられないのは、経済学賞の恥だ。われわれの恥ではない。中国と西側の現代化競争で、もし実際にある種の衝突が起き、中国が世界で西側をリードする存在になったら、地面に押さえつけてぶちのめしてやればいい。どんな賞よりも効果があるだろう」と笑った。(翻訳・編集/北田)
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